端午の節句、春の青空に良く映える鯉のぼりは、日本の代表的な風景の1つといえますね。
日本にはこの鯉のぼりをはじめ様々な年中行事がありますが、昔に比べて簡略化されている部分が多いですよね。
鯉のぼりの場合、広いスペースを必要としますから、住まい環境などによって大きな鯉のぼりを出すことが不可能な場合もありますよね。
この鯉のぼり、子供の成長を願うものだということはよく知られていますが、具体的にどのような意味が込められているものなのでしょう?
今回は、鯉のぼりの各パーツや名称、吹流しの意味、そして鯉のぼりに込められた願いなどについて解説します!
鯉のぼりを上げる意味!一番上の吹流しは色についても解説
童謡「鯉のぼり」の歌詞にもあるように、鯉のぼりは一番上に吹流し、二番目に真鯉、三番目に緋鯉、そしてその下に青や緑などの子供の鯉たちが泳ぎますね。
親子で仲良く泳いでいるように見え、何ともほほえましいですよね!
ところで、鯉のぼりの一番上に位置する吹流しは、青、赤、黄、白、黒の五色からなっていますね。
これは、中国の五行説が由来といわれます。
五行説とは、世の中のすべては陰陽と木火土金水の五行から成り立っている、という考え方です。
五行説と青、赤、黄、白、黒の五色は密接な関係があり、これら五色は邪気を払う魔よけの意味を持つ色なのです!
意外と知らない鯉のぼりの名称や意味!各パーツをご紹介!
ところで、端午の節句にはなぜ鯉を泳がせることになったのでしょうか?
登竜門という言葉がありますが、これはもともと中国の古事が由来となっています。
ある急流を登り切った鯉のみが竜となることができるという内容から、現在では立身出世の関門を表す言葉として使われています。
滝を登るたくましさ、そして様々な環境で生きることのできる生命力の強さなどから、鯉が使われるようになったようです!
鯉のぼりは、丈夫な棒に支えられて泳ぎます。
この棒の先端に、風を受けてカラカラと回るものがついています。
矢車と呼ばれるこのパーツは、矢羽を放射状に取り付けてあり、音を発する仕組みになっています。
これは、音を出すことで神様に子供の存在を知らせるためのものであり、武士の弓矢から由来しているそうです!
吹流しは、子供を守る魔よけとして存在します。
鯉たちは父、母、子供をそれぞれの色で表現しています。
しかし、もともと鯉のぼりの鯉の色は黒一色だったそうです!
明治時代に緋鯉が加わり、しかもその当時の緋鯉は、母ではなく子供を表していたようです。
その後昭和に入ってから様々な色の子鯉が誕生したのです。
鯉のぼりが現在の形になるまで、様々な変遷があったのですね!
鯉のぼりの意味は吹流しの色にも!子孫への込められた願いとは
五行説の木火土金水にはそれぞれ青、赤、黄、白、黒の色が関わり、それぞれ青は春、赤は夏、黄は土用、白は秋、黒は冬を表しています。
それらの色は、鯉のぼりの色にも意味を持たせているのです。
吹流しの下で悠々と泳ぐ大きな黒い鯉は真鯉と呼ばれ、一家の大黒柱であるお父さんを意味しています。
冬を表す黒は同時に水を表し、世の中に不可欠なもの、不動のものを意味します。
その下に泳ぐ少し小さな緋鯉は、命を育むお母さんを表します。
赤は、生命が大きく育つ夏を意味する色であり、それをもってお母さんを表現しているのです。
小さな鯉は子供を表します。
生き物が活発に活動し成長してゆく春を表す青をはじめ、緑、紫などの色で表現します。
伸び伸びと健康に過ごしてほしい、強くたくましく育ってほしい、と子孫の健康と繁栄を強く願う気持ちが、鯉のぼりの色に表現されているのですね!
まとめ
今回は、鯉のぼりの意味や様々なパーツの意味、そして子孫に込められた思いなどについて解説しました。
吹流しや鯉のぼりの色は五行説が関わり、そこには様々な意味が込められているのですね。
矢車は神様に子供の存在を知らせるものであることも分かりました。
昔から、子孫の健康や繁栄を願う気持ちを背負って泳いできた鯉のぼり。
住環境に合わせたサイズのものを、ぜひ飾ってあげたいものですね!