鈴虫の鳴き声は秋を感じさせる風物詩ともいえます。
森林などの暗くて湿った場所を好み生息し、その生態は夜行性で、昼間などの明るい時間帯はじっと草陰や石の下などに隠れ、暗くなり始めると行動を始めます。
あの独特な鳴き声を出すのはオスだけの特徴で、メスへの求愛行動によるものです。
毎年7月頃から羽化が始まり、この羽化が完了すると鳴くことができるようになります。
9月いっぱいは鳴き声を聞くことができますが、10月に入ると鈴虫は寿命を終え鳴き声も聞くことができなくなってしまいます。
鈴虫の飼育は比較的簡単なため、多くの鈴虫愛好家が自分で飼育し鳴き声を楽しんでいます。
この鳴き声を楽しむという文化は、平安時代から貴族の間で始まり、江戸時代には一般にも広く広まったとされています。
今回はそんな鈴虫についてのお話をしたいと思います。
実際に飼育していても、なかなか鳴き声を聞かせてくれないという方もいらっしゃると思います。
鈴虫の鳴き声が聞きやすい気温や時期など詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ではまず、鈴虫が鳴く条件というものをご紹介します。
そもそも羽化していない鈴虫は鳴きません!
メスへの求愛行動でオスが鳴き声を出しています。
求愛行動の対象となるメスが一緒に飼育されていないと鳴き声を出しません。
メスと一緒に飼育していてもメスが多すぎると求愛行動をしなくてもよくなる可能性がありますので割合にも注意が必要です。
上記以外にも、気温も重要になります。
気温が高くなり鈴虫の体温が高くなると活発に鳴き声を発するようになります。
逆に気温が低くなると体温も低下し鳴き声もゆっくり鈍くなります。
夏の暑い時期などは、暑さが和らぐ夕方以降から活発に鳴き始め、秋口の少し涼しい時期になると日中も鳴くようになります。
前述した通り、気温の変化によって鈴虫の体温も変化すると同時に鳴き声にも変化が現れます。
気温の変化は時間帯とも関係していますので、日中の気温が高い時間帯では活発に鳴き声を発します。
ではなぜ時間帯によって鳴き声が変化するのか?
それは、鈴虫は変温動物のため気温が低いと行動も鈍くなり鳴き声も出せなかったり小さかったりするためです。
鈴虫を飼育して鳴き声を聞くためには、気温は25℃前後に保つようにしましょう。
30℃を超えてしまうと暑すぎて弱ってしまいますので温度管理は必要です。
鈴虫の鳴き声を楽しむ文化は、日本と中国で続いている文化で欧米では全く浸透していません。
欧米人に鈴虫の声を聞かせても何も感じない・不快に思う人もいるという意見もあります。
私たち日本人の中でも虫の声を好まない人もいらっしゃると思いますが、多くの方は鈴虫などの鳴き声を聞くとリラックスできると思います。
実際に鈴虫などの虫の声を聞くと、脳がα波を出しリラックス効果を感じやすいのです!
寝る前などに聞くと寝つきが良く、快眠効果まであるそうです。
鈴虫の声に限らず、自分が好む「音」を聞くとリラックス効果を感じられるのだと思います。
ヒーリングのCDを聞いたことのある方であれば分かると思いますが、聞くと、疲労やストレスなどの解消を和らげ癒し効果があります。
鈴虫などの虫の音色も収録されたものもあり、同様の効果を感じられます。
自宅で鈴虫を飼育している方は、鳴き声を聞いてリラックスできる時間を楽しんでください。
そのためにも、鈴虫が鳴く条件を今一度確かめて、鳴きやすい環境を作ってあげてくださいね!
いかがでしたでしょうか。
鈴虫の寿命は短く、鳴き声を聞ける期間も短いです。
その短い期間で鳴き声を十分に楽しむためには、鳴く条件を確かめて環境を整えてあげることです!
温度が高すぎても低すぎてもいけませんので、温度管理も気をつけてくださいね〜。