12月ごろになると、花屋の店頭や園芸コーナーには、シクラメンの花がたくさん並んで、
色を添え、一気にクリスマスムードが高まりますよね。
このシクラメン、開花期が10~3月の“冬の花”だというのに、実は寒さに弱く、
温度が高すぎても良くありません。
そして、もちろん日光も必要で、案外デリケートな花なんです。
シクラメンは、鉢植えで室内栽培もできますし、クリスマス飾りのひとつとしても
大活躍ですが、秋から春先まで長く開花するので、庭先を明るく彩ってくれるという
楽しみもありますよね。
そこで今回は、シクラメンを育てるときの、とくに屋外での適した置き場所や
温度管理について、解説していきます!
シクラメンを育てるうえで、屋外に置く時の注意点を、1年間の育て方の流れを
思い浮かべながら、探ってみましょう。
まず、シクラメンは、基本的に鉢植え栽培をします。
シクラメンの球根は、上部の先の方に芽があり、この部分に日光が当たらないと、
上手く成長できません。
花の数や大きさなども変わってきてしまいます。
ですから、シクラメンを置くのは、春と秋は、雨がかからず、日中良く日が当たる場所が
好ましいですね。
シクラメンの場合、球根の先に水がかかると、腐りやすく致命傷となりますから、
水やりには要注意です。
さらに、湿気に弱いため、蒸し暑くなる梅雨時期からは、雨がかからない、
風通しの良い環境がいいのです。
シクラメンは湿気が溜まりやすい姿をした植物ですから、風通しが悪いと、
根本にある球根にカビが生える病気にかかりやすく、株が弱る原因になります。
そうしているうちに、6~8月の梅雨頃から夏は、球根が活動をやめて、休止状態に入ります。
うまく夏を越させるために、人間がお手伝いして管理してやる上で、
休眠させる方法とさせない方法があり、それを「休眠法」と「非休眠法」といいます。
どちらにしても、この夏期をうまく過ごさせてやることで、シクラメンは多年草ですから、
再び球根が活動を始める秋から冬になると、再び花を咲かせてくれることになるのです。
それから、シクラメンは寒さにも弱いので、気温が5~10℃を下回る真冬の間は、
できるだけ室内に移動してやる必要があります。
鉢植えだと、置き場所を移動できて、このように温度管理をするうえで、
とても便利だといえますね。
シクラメンを育てるときは、置き場所を工夫することが大事なポイントです。
屋外では、1年を通して、雨にかからないところを選ぶのが最も大事ですが、
成長を促したいと思ったら、日光に当てることが大切です。
春や秋は、3時間~半日くらいは日照があるところを選びましょう。
屋外なら、家の周りの屋根のあるところや、ベランダ、玄関先などの風通しの良いところに
置きますが、花がある時期には、観賞もできるところがいいですよね。
あまり日差しが強いときは、日中のピーク時に斜光するか、影に移動しましょう。
屋内に置く場合には、日当たりの良い窓辺の、薄手のカーテン越しなどがちょうど良いです。
秋に開花してから、次第に気温が下がっていき、12~3月の真冬の間は、
屋外に置いていた鉢も、できれば屋内に移動します。
玄関の内側に入れるだけでも大丈夫です。
おすすめは、温かくて日光が当たる窓際ですが、夜間になると、
急に温度が下がってきますから、厚手のカーテンをしたり、
夜間だけは部屋の中ほどに移動するなどの工夫をして、寒さ対策をしてあげましょう。
ところが、シクラメンは、温度が高すぎるのもよくないし、
暖房の乾燥した空気に当てるのもよくないため、暖房器具の近くに置くのは避けたいです。
リビングなどに置く場合、部屋が20℃以上になるような場合は、花の消耗も早く、
すぐに弱ってしまいます。
人間が快適だと感じる部屋の温度、25℃付近は、シクラメンにとっては高すぎるため、
それよりは多少寒いくらいの玄関や廊下に置く方が、断然おすすめですよ。
縁側のような、日が差すところがあれば、なおいいですね!
もし、冬場でも屋外に置く場合には、雨だけでなく、霜にも注意が必要です。
霜に当たると株が傷んで、枯れてしまいますので、ベランダや軒下などの、
雨と霜が防げるところを探して置くようにしましょう。
また、球根が活動をお休みする夏期についても、雨のかからない、明るい日陰の、
風通しのよいところがいいですね。
それから、シクラメンはデリケートで、毎日違う場所にくるくると移動するのは、
ストレスになり良くありませんので、やめておきましょう。
シクラメンの生育に適した温度は、15~20℃です。
寒さには弱く、5℃までは耐えられるとはいえ、10℃以下になるときは、注意が必要です。
そうなった時は、できれば屋内に移すのが好ましいですね。
ただしシクラメンの中でも、「ガーデンシクラメン」は、耐寒性があり、
冬も屋外でも耐えられますが、球根が濡れるのがダメなのと霜に弱いのは変わりませんので、
やっぱり雨と霜をしのげるところに置くのが良いですね。
また、シクラメンは高温にも弱いので、人間が過ごしやすいと感じる25℃は、
シクラメンにとっては暑い位で、ぐったりとしてきてしまいます。
シクラメンを置いている部屋の暖房は、20℃までにしておきましょう。
そして、温度差もあまり激しくない方がよいので、冬に、部屋の中の窓辺などに
置いていても、夜間は冷え込みを考えて、部屋の中程に移動できるようにするなど
工夫したいですね。
それから、シクラメンは寒さにはある程度耐えられますが、冬の花ですので、
暑い夏が苦手です。
夏に休眠させないでおくなら、水やりを続けるわけですが、
できるだけ涼しいところに置くようにするほか、日差しがきつい時は斜光をして、
温度が30℃を超えないように、注意しましょう。
難しく感じる人が多い、シクラメンの栽培。
せっかくクリスマスを前に購入したから、長持ちさせたいなと思っていたけど、
すぐに弱って花が咲かなくなってしまった、なんて経験はありませんか?
冬の花だけど、意外に温度や場所についても、管理してやる必要があるんですね。
そこで今回は、シクラメンを育てるときの、温度管理や屋外での置き場所について、
解説しました。
夏をうまく越して、次の秋も花を咲かせてくれるように、そして、
長く開花を楽しめるように、お世話をしていきたいですね。