女の子が生まれると、初めてのお正月を迎える「初正月」のお祝いに、
羽子板を贈ってもらう、という日本独特の風習があります。
その羽子板には、誕生した赤ちゃんが、健康ですくすくと育つように、
という、無病息災と厄よけの祈りが込められています。
しかし、その羽子板は、初正月のためだけのものなのでしょうか?
それとも、それから毎年、お正月ごとに飾るものなのでしょうか?
今回は、羽子板のこんな疑問を解決するため、いろいろと
探ってみましたので、飾る時期や飾る場所なども、解説していきます!
羽子板を、お正月の贈り物にするようになったのは、現存している文献により、
室町時代からではないか、とされています。
そこには、お正月に羽子板を用いて、宮中で羽根付き大会を催したことも、
記されています。
厄よけの意味が強かった羽子板ですから、こうした新年の儀式にも
使われてきたのですね。
生まれたばかりの赤ちゃんの行く末を健やかなものに、という願いを込めて
贈られた羽子板ですが、初正月のお祝いが済んだら、
その後はしまい込んでしまうのでは、何だか儚いお役目ですね。
せっかくの縁起物なので、毎年お正月には、「お正月飾り」として飾り、
赤ちゃんだったお子様はもちろん、家族の健康も願い、
厄よけのおまじないとして、お披露目する方がいいですよね。
ぜひ、他のお正月飾りと一緒に並べて、家の中に縁起の良い場所を作り、
年神様をお迎えして、新年をお祝いしましょう。
また、羽子板は、節句人形としての役割もできますから、
桃の節句にお雛様飾りを飾るときには、「脇飾り」として
一緒に並べると良いですね。
一般的に、お正月飾りは、12月の28日に飾り始めるのが良い、
とされています。
29日は「二重苦」、31日は「一夜限り」となり、
そういった日を選ぶと縁起が悪いからなのだそうです。
縁起の良し悪しもありますが、年末の押し迫った三十日や大みそかには、
新年を迎える準備やおせち作りなど、何かと大忙しなので、
これは、とても理にかなった決まりごとでもあります。
そうはいっても、初正月の節句の飾りでもある羽子板は、
もう少し早く飾りたいですから、12月中頃の大安の日を
選ばれることが多いようですね。
そして、お正月の飾りをしまう日は、一般的に新年の7日までで、
節句人形でもある羽子板や破魔弓は、15日までといわれています。
しかし、羽子板は、3月の桃の節句の脇飾りとして飾ることもできますし、
厄よけの意味もあるので、年中飾りとして、しまわずにずっと飾っておくことも
できます。
この頃は、年中飾りにできるように、しっかりしたガラスケースに入っているものや、
壁に掛けられるように、初めから額に入った羽子板もあります。
飾りとしての羽子板については、必ずここに飾らないといけない、
という決まりごとは、全くありません。
単独で飾ってもいいし、他のお正月飾りと一緒に飾りつけをするのも、
華やかで素敵ですね。
神棚や床の間でなくても、玄関やリビングなど、
いつも家族やお客さまの目に付くところに飾り、
お正月のお祝いムードを演出しましょう。
また、お子様がいただいたものですから、いつも見守ってくださっているよ、
ということで、お子様のお部屋に飾ってあげるのもいいですね。
お子様の初正月を祝う贈りものである、羽子板。
これは、初正月の節句に飾る、一度きりのものなのか、
それから毎年飾るものなのか、疑問を持たれているママやパパも。
その疑問にお答えするべく、節句人形としての羽子板について、
由来や意味、そして、飾り方を解説しました。
羽子板をお祝いに贈ったり、お正月に飾るのは、はるか昔、
室町時代から続く伝統の行事で、無病息災と厄よけの
意味が強く込められています。
ですから羽子板は、ぜひ毎年、お正月飾りとして飾っていきたい、
縁起物のひとつですね。
成長したお子様にも、羽子板の由来や意味、赤ちゃんだった
初正月の思い出を話して、伝えていってあげたいですね。