今回は「ゴム」についてご紹介します。っといっても「え~別にゴムのことなんか、知ってもねぇ。」という声が聞こえてきそうなほど、“じみーな”存在のゴム。地味でいて影の薄い存在のゴムですが、実は私たちの生活の中ではよく見かける存在。
例えば、スカートやズボンの腰部分、靴下、髪の毛を束ねる、お弁当のフタが開かないようにするなど、結構いろいろなところで活躍してくれています。主役にはなれない存在ですが、絶対他のもので代わりができないほどなくてはならない大事な存在の名脇役です。
今回は、そんな「ゴム」をメインに光を当てて、「へぇ~なるほど。」と思うことをご紹介します。
手芸用平ゴム、丸ゴムの付け方の違い
まずはゴムの種類は大きく分けて2つです。
平ゴム
平らでテープ状のゴム。太さ(ゴムの幅)は、細いもので5mm、太いもので80mmなど。
長さは手芸専門店で販売されているものは、長いもので300mなど。
用途:スカートやズボンの腰部分など。
丸ゴム
丸くてロープ状のゴム。断面の細くて直径1.5mmφ、太くて3mmφなど。
長さは手芸専門店で販売されているものは、長いもので2mなど。
用途:髪を束ねる、ヘアアクセサリーを作る、ズボンのすそや袖口など。
他に、色がついているものやゴムの表面の繊維にラメの糸が織り込まれたもの、ストライプや水玉模様などがプリントされたものなどファッション性が高いゴムも販売されています。これらは、洋服の生地の中に隠れて使われているゴムとは違って、そのままで充分かわいらしいので目につくところ、例えばヘアアクセサリーなどに使ったりすると効果的ですね。
あともう一つ、ゴムには伸びが強いものと弱いもの(やさしい、やわらかい)とがあります。肌に密着してするマスクのゴムなんかは、表面がふわっとした触り心地で伸びが弱めのゴムを使います。
これにすることで耳の後ろが痛くなることもないので、快適にマスクを使うことができます。このように種類によって、それぞれ特徴があるのでそれを分かった上での使い分けが必要です。
また、平ゴム、丸ゴムのそれぞれの付け方ですが、平ゴムは主にズボンやスカートなどの腰部分に使われています。「これが丸ゴムではダメなのか?」と言われる人がいるでしょう。決してダメではないですよ。
ですが、丸ゴムを使った場合、平ゴムに対しその丸い形状が原因となり、なんだかゴロゴロして、腰の辺りにゴムが食い込み、伸びがキツイ感じもしてきて着心地が良くありません。
平ゴムが使われるところは着心地に影響してくる部分なのです。つまりは、ゴロゴロや食い込みが感じられないような付け方で仕上げた方がいいところ。
なので、付け方としてはゴムの端と端は重ねて縫って丸い輪にして仕上げます。これでゴムとゴムを重ねた部分もゴロゴロせず、着心地も良くなります。
丸ゴムの方は断面が丸い形状の為、端と端を輪にすることが難しいので結んで輪にして仕上げます。
袖や裾はこの付け方でも、着心地に影響するところではないので大丈夫。布に隠れているゴムですが、付け方ひとつで着心地に影響してくるので注意。
手芸用ゴムの縫い方のコツ
先ほども説明しましたが、平ゴムと丸ゴムとでは付け方が違います。平ゴムは端と端は重ねて縫って付けますが、丸ゴムは端と端を結んで付けます。
もちろん、丸ゴムも縫って付けることもできますが、表面積が狭いのでミシンでは縫いにくいので、縫いやすい手縫いをおすすめします。
平ゴムの場合は、表面積が広いのでミシンでも手縫いでもどちらでも付けることができます。ただ、ミシンの速度をゆっくり目にして縫った方が表面の繊維がほつれにくいです。
うさぎさんモードからかめさんモードに変えましょう!
手芸用ゴム100均と市販品との違い
100均のゴムは、カラーもプリントも販売されていてゴム全般の商品バリエーションとしては、手ごろで使いやすく満足できます。
ゴムの品質も専門店に比べさほど、私は悪く感じませんでした。
しかし、平ゴムの場合、幅と長さがデメリット。
幅は、専門店に比べサイズの展開が少ないです。長さは、100均の場合は短い。
特に幅が広いサイズのものは長さが短く、幅が狭いサイズのものは長さが長い。長さは、1m以下の長さのものがあり、あともう少し長さが欲しいと感じました。
小物や雑貨などを作るときには、充分対応できる長さや幅ですが洋服など大きいものを作るときの材料として使う場合は、2袋以上購入しないと対応できないということも出てくるかもしれません。
2袋以上の購入となった場合は、専門店の価格や品質を調べて購入のものさしにしてみてください。
まとめ
いろいろと調べてみましたが、昔は、「ゴム」と言ったら白く肌触りも悪く、子供たちが伸ばして遊んでいて、ケガをしてしまいそうなほど、固く伸びが強いものでした。
ところが、今は子供が使うバックや帽子、私たちの肌に直に触れる部分のゴムは伸びも弱めでやさしく、繊維表面も肌触りが心地よい素材のものにどんどん使いやすいものになってきています。
最後にこの豆知識を知っておけば、ゴムの品質が守られて長く使うことができますので、ぜひ参考にしてくださいね。
*ゴムの取り扱いについての豆知識*
・洗濯の際の塩素系漂白剤の使用。
・高温での乾燥。(アイロンも含む。)
・紫外線が当たるような屋外に放置。 など...。
これらは、ゴムが劣化する原因になりますので、使用の際はご注意ください。
今回、「ゴム」という地味な材料を掘り下げてみましたが、意外と知らなかったことがたくさん出てきて驚かされることもありました。
「ゴム」は、お裁縫箱の中に常備しておくべき材料のうちの一つです。きっと、何かのお役に立ちますよ!