アジは骨まで食べられるの?栄養価と美味しい食べ方教えます!

価格も比較的安価で、1年中おいしく食べられる白身の魚、「鯵:アジ」は、私たちにとってなじみ深く、食卓にもよく登場する魚ですね。

皆さんは、アジを食べる時、どんな料理がお好きでしょうか。

煮ても焼いても、刺身でもフライでも、そして干物でも、美味しく食べられますよね。

ところで、魚を食べる時って、この骨や皮は食べるのか!?と、とまどうことはありませんか?

学校給食でも、皮まで全部残さず食べるように、と指導されるところもあるようですよ。

そんなわけで、今回は、この「アジ」について、骨まで食べられるのか、また、栄養価や美味しく食べられる調理法なども、ご紹介いたします。

アジは骨まで食べられるかご説明します

アジの骨は、通常、生魚から塩焼きやフライなどの調理法で料理した場合に、中骨は他の魚と比べて「あまり硬くない」とはいえ、そのまま食べるには、やっぱり硬いですよね。

例えば、アジを買ってきて、調理方によっては「3枚おろし」にしますが、真ん中の骨の部分はどうしていますか?

中には、骨せんべいにして食べているよ、という方もおられます。

また、体長10㎝以下のものを「小アジ」といいますが、小さな小骨がたくさんあって、よけて食べるのが面倒ですよね。

そこで、骨を軟らかくするような調理法で料理すれば、喉にひっ掛かって苦しむこともなく、これらの骨まで全部食べられるようになります!

では、骨を食べることで、何か他にもいいことがあるのでしょうか?

ということで、次に、「アジ」を栄養面から見てみましょう。

アジを骨まで食べた場合の栄養価は?

アジの旬は6~8月で、春から夏にかけて最盛期ですので、その時期に食べるとより脂がのって、美味しくいただけます。

選び方は、全体的に丸くて腹の辺りが硬いもので、体の表面が輝いていて、黒いものよりも黄色いものがいいといいます。

栄養的には、魚介類なので、もちろん肉類や卵などと並ぶ、「たんぱく質の供給源」として大切ですが、脂質、カリウム、カルシウム、マグネシウムといった無機質が豊富ですね。

その脂質、つまり魚油ですが、その素晴らしい点は、青背の魚に特徴的な、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの、n-3系の不飽和脂肪酸が豊富だということです。

n-3系不飽和脂肪酸は、血液をサラサラにして成人病を予防し、特に子どもの脳や神経の発達を促してくれる、大切な栄養素ですね。

また、魚には、カルシウムだけでなく、カルシウムを体内に吸収するために必要な「ビタミンD」が豊富に含まれていますので、その二つが同時に摂れることで、効率よくカルシウムを摂取することができる、大切な「カルシウム供給源」でもあります。

カルシウムに着目して考えると、魚の中でも、骨まで全部食べることができるものが、より好ましいのです。

ですから、いつものメニューで、魚がもし骨まで食べられれば、カルシウムがよりたくさん補給できることになりますから、美味しくいただけるような調理法で、無理なく食べたいですよね!

例えば、アジを、
1.骨を残す食べ方で食べた場合と
2.小アジなどを、骨まで全部食べる場合に、
調味料や調理に使う油などは考えないで、アジの食べる部分だけで比べた場合、同じ100gずつ食べたとすると、カルシウムの摂取量は、

1.66㎎と、
2.780㎎※、

となり、10倍以上の違いがあります
(※七訂日本食品成分表参照。「まあじ」皮つき・生と、小型・骨つき・生との比較、とした。)

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実はカルシウムって、多く含まれるとされる食品を、自分で意識して摂るようにしないと、不足してしまう栄養素なんです。

厚生労働省の国民健康・栄養調査という統計では、成人の目標摂取量:1日 600~1000㎎に対して、学校給食のある小学生以外の、全年齢で不足している、という結果になっています。

また、私たちの一生の中で、体内のカルシウム貯蔵場所である「骨」の骨塩量を調べると、おおむね40代がピークで、そこから徐々に減っていくことがわかります。

加齢により、食欲が落ち食べる量も全体的に減るし、吸収率も下がる、などが原因でしょう。

「骨粗鬆症」(こつそしょうしょう)を、ご存知でしょうか?

加齢に伴って、体に貯蔵されているカルシウムが不足していき、足りない分を大事な骨から動員するため、骨がスカスカなスポンジ状になり、背中が曲がってきてしまったり、ちょっとしたことでも骨折してしまうようになった病気です。

予防には、できるだけ早く、若いうちからコツコツと、カルシウムを体に貯蓄していくことが大切ですね。

アジの骨まで美味しくいただける食べ方とは?

アジの骨は、料理法を少し変えて、軟らかくすれば、食べられるようになります。

すぐ思いつくのは、小アジや豆アジの南蛮漬けですよね。

「南蛮漬け」は、アジを下処理して片栗粉や小麦粉をまぶし、油で揚げてから、野菜のスライスや千切りと共に、酢の入った漬け汁につけておく、という調理法ですね。

揚げたことによって、高温で加熱されて骨の組織が破壊され、そこに、酢の酸が入り溶かしてくれるので、骨が軟らかくなります。作ってから、1~2日後が食べ頃ですよね。

そして、骨せんべい、もおいしいです。

アジを3枚おろしにした時に出る、真ん中の1枚は、骨とその周りにちょっと肉がついていて、骨せんべいにぴったり。

塩・こしょうをして、下味をつけてから、軽く小麦粉をまぶして、より骨が食べやすくなるように、二度揚げにしましょう。

「二度揚げ」は、読んで字のごとく、2回揚げる調理法ですが、から揚げなどを、カラッとさせたい時にやりますよね。

一度目は、140~160℃くらいの中温で、じっくり揚げてからいったん油から取り出しておき、二度目は、180℃以上の高温で、短めの時間でさっと揚げます。

そのままでも、ぽん酢やお好みのスパイスを付けて食べても、おいしいです。

同じように、二度揚げで小アジをから揚げにすると、バリバリと丸ごと食べられますね。

また、アジの干物を、「素揚げ」(何も付けないで、そのまま揚げる)にすると、骨まで丸ごと食べられて美味しい、と学校給食のメニューになっている地方もあります。

それから、アジを煮付けにするときに、圧力鍋を使って調理することによって、調理時間が短縮できるだけでなく、骨まで軟らかく出来上がり、一石二鳥なんです。

夏の食欲の無い時には、生姜だけでなく梅干しも一緒に煮つけると、さっぱりといただくことができ、食欲増進にも良いですね。

圧力鍋だとより味がしみ込んで、身も骨もほろほろと柔らかくなり、おいしく出来上がります。

そして最後に、つみれにする、という調理法があります。

下処理後、アジを骨ごとフードプロセッサーでつぶし、ミンチ状にしたら、つみれ団子にして、野菜と一緒にお味噌汁にしたり、鍋の具材にしたり、お魚バーグにもできますね。

自分なりにアレンジして楽しみましょう。

まとめ

白身の魚で、年中おいしく食べられるアジ。

アジの栄養価や、アジを骨まで食べるときの、栄養的なメリットを解説しました。

いろいろな料理を楽しめるアジを、骨まで美味しくいただけたなら、私たち日本人に不足しがちなカルシウムも、たくさん効率的に補給できますね。

そこで、アジを骨まで美味しくいただくための、食べ方をご紹介しました。

この頃、調理器具も調理法もどんどん進化していますね。

今回登場した圧力鍋は、食材に圧をかけて、軟らかくするのにも役立ちます。

例えば、南蛮漬けを作る時、調味液に漬け込む段階で利用すれば、すぐに食べることができます。

進化をうまく生活に取り入れて、食生活を豊かにしていきましょう。

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