買ったあさりやいただきもののあさりを
冷蔵庫にしまったままで
いつのまにか忘れてしまって、
ある日突然見つける。
えっ、これまだ食べられるのかしら、
と悩んだ経験はありませんか。
そこでお教えします。
冷凍・冷蔵あさりの賞味期間や、
保存に関するあれこれを。
これさえ知れば今日からあなたも
「あさりマイスター(保存部門)」です。
あさりの冷凍!保存できる時期や期間の目安
厳しい寒さの冬が終わると
首を長くして待ってた潮干狩りの季節です。
潮干狩りといえば、なんといってもあさりです。
焼いてよし、炊き込んでよし、
みそ汁、バタ焼き、酒蒸し、
ボンゴレにパエリアと、
バリエーション豊富なことでも、
そんじょそこらの食材には負けません。
でも、獲れすぎたあさりはどうする?
潮干狩りに行った人から大量にもらったアサリはどうする?
ご安心ください。
他の魚介類と同じようにあさりも
冷凍や冷蔵保存できるのです。
しかも冷凍すると旨味成分であるグルタミン酸が増え、
よりおいしくなるというメリットもあるのです。
保存方法の説明に入る前に
あさりの旬について少し。
スーパーなどでは一年中あさりを売っていますが、
おいしさはやはり旬のものが一番です。
あさりの旬は潮干狩りシーズンと同じ、
3月初旬から5月にかけてとなっています。
もうひとつ、秋の産卵時期でもある9 〜10月も
身が肥えておいしい時期とされています。
この時期のあさりを上手に保存すれば、
もう少し長くおいしいあさりを楽しめるというわけです。
では、まず冷凍保存から。
冷凍するからいつでもいいや、というわけにはいきません。
貝類は腐りやすい食材ですから、
獲ったりもらったりしたその日のうちに下処理をすませ、
できるだけ早いうちに冷凍したいものです。
下処理には砂抜きと塩抜きの2種類があります。
砂抜きは、まずあさりを流水でバシャバシャと洗います。
洗い終わったら、網付の2重底の容器に入れて
上から塩水をひたひたになるまで注いでください。
塩水は潮干狩りから持ち帰った海水か、
ない場合は水道水でつくった3%の食塩水を使います。
3%は、1ℓの水に塩大さじ2の割合です。
そのまま新聞紙などでフタをして
冷暗所(水温が20℃に保てるぐらいの温度)に
5時間程度放置します。
時間がきたら水から出し、ザルにあげて
流水でカラとカラを摺り合わせるように洗います。
きれいになったら、
砂抜きした容器に戻して1時間ぐらい放置します。
最後に流水でバシャバシャと洗ったら、
砂抜きと塩抜きは完了。
いよいよ冷凍保存です。
カラについた水気を良く拭き取り、
1回に使う分量に小分けして
フリーザーバックなどの密閉袋に入れます。
これを冷凍室の底の方へ入れて、一気に凍らせます。
食べるときは、凍ったまま沸騰したお湯(出汁)に入れ、
口が開いたら火を止めます。
冷凍あさりは約6か月は楽しめますが、
おいしく食べるには1か月程度が無難です。
というのも、いくら密閉袋とはいえ、
冷凍室の中でもあさりは少しずつ乾燥してしまうからです。
これを防ぐには、密閉袋に水を注ぐか、
フタ付の容器にあさりを入れてひたひたになるまで水を注ぎ、
そのまま冷凍する方法があります。
使うときは凍った水も一緒に使います。
こうすると、3か月程度は十分おいしくいただけます。
ただしこの方法は、みそ汁のような
出汁たっぷりの料理にはいいのですが、
バター焼きなどには不向きです。
なかなか難しいですね。
あさりは冷凍保存?冷蔵なら日持ちはどれぐらい?
長期保存なら、やっぱり冷凍保存が一番です。
でも、冷凍するほどの量はないし、
近いうちにまた食べたいし、とくれば
おいしく食べる冷蔵方法を知っておくのもグッドです。
砂抜き、塩抜きしたあさりを水からあげて、
1、2時間程度放置しておきます。
こうするとあさりは酸欠状態になって、
コハク酸という旨味成分が増加して
あさりはよりおいしくなります。
次に濡らした新聞紙やキッチンペーパーなどであさりを包み、
容器に入れて冷蔵庫に入れます。
この時、密閉するとあさりが死んでしまうので、
フタ付の容器でもフタをずらすか、
フリザーパックなども完全に閉めないで
少しすき間をあけておきます。
冷蔵庫は、通常の冷蔵室でもかまいませんが
野菜室の方が温度が高くあさりに適しているので
より元気に保存できます。
時々冷蔵庫を覗いて、乾燥しそうになったら
霧吹きなどで水を吹きかけてください。
こうすることで3日間程度はおいしく食べられます。
こんなあさりは冷凍保存OK?見分け方をご紹介
冷凍したら数か月はもつあさりですが、
最初から死んでいるあさりを保存しても意味がありません。
また、弱っているあさりも砂抜きがしっかりできず
保存には適していません。
そこで元気なあさりの見分け方を紹介しましょう。
あさりは死ぬとカラを閉じる力がなくなって、口が開きます。
生きているあさりは、まず口が閉まっていることです。
砂抜き前に、ボールなどの中で、
ガシャガシャと音が出るぐらいかき混ぜてみてください。
これで死んだあさりは大体取り除けます。
やっかいなのは
死んでいても開かないあさりがいることです。
こんなときは、一つずつ手に取って、
指で軽くスライドさせてみてください。
生きているあさりはなかなかスライドさせることができませんが、
死んだあさりは簡単にカラがずれてしまったりします。
また、砂抜きのときにこっそり覗いてみるのも
おすすめです。
元気なあさりはカラの中から
白い触覚みたいなもの(水管といいます)を外に出して
盛んに水を吹いています。
逆に、死んでしまっていたり元気のないあさりは
カラが閉じたままですので、
この時点で取り除くようにしましょう。
まとめ
いかがです、参考になりましたか?
あさりの保存と一口にいっても
けっこう複雑で難しいものですね。
でも、おいしいあさりを楽しむためには
努力を惜しまないのが「あさりマイスター」。
さあ、あとはあさりをおいしくいただくだけです。
今日のメニューは何にしますか?
吸い物、煮物、焼き物、揚物、
和風、洋風、中華・・・
ぜひ、あなただけの「この味!」を楽しんでください。