高齢者を自宅のお風呂に入れるのって想像しただけでも恐ろしいですよね。しかもそれを家族が行うとなるとより一層です。
実際デイサービスでしか入浴しないという高齢者も多いですよね。
さて、ここで問題となるのは入浴ってどれくらい入るべきなのだろうか?というところです。
私達の感覚からすると、出来るだけ毎日入ってもらいたいという気持ちが強いのではないでしょうか。
今回は、高齢者にとって必要な入浴回数と、足浴回数、さらに入浴時の工夫についてお話していきたいと思います。
デイサービスでの入浴回数
さきほども言った通り、私達の感覚だと毎日お風呂には入ってほしいです。しかし、それはあくまで私達の感覚なのです。
ここでは、利用者さんの状態に応じた入浴回数の理想回数を紹介していきます。
基礎疾患なし、お風呂を楽しみにデイに来ている利用者さん
→体調に問題がなければデイにくる度に入浴してもらうのがベスト
お風呂が大好きな方は結構多く、入浴がデイに来る一番の目的なので出来るだけ入浴出来るようスケジュールを組みたいですね。
基礎疾患あり、お風呂を楽しみにデイに来ている利用者さん
→基礎疾患にも色々ありますが、高血圧や心不全、感染症、創傷がある、失神などの既往がある。
などですね。入浴する際には、バイタルサインやいつもと比べて表情や活気に変化がないか観察した後
可能な限り毎回入浴出来るようにしたいものです。感染症や創傷に関しては、入浴の順番を変えたり、
看護師の指導のもと行いましょう。
基礎疾患なし、入浴拒否が多い利用者さん
→体調に問題がなければ、毎回とはいわなくとも、週に2回ほどは入浴するのがベスト。入浴を嫌がっているなら、汚れてなければ週1回くらいでも・・・
と思いがちですが、特に陰部は目に見えない細菌が繁殖しやすいです。
それらは尿路感染症といって尿道を通って体内に菌が入りこむことで発症する病気になってしまう可能性があります。
例えば膀胱炎というと軽症に感じてしまうかと思いますが、高齢者の体力や免疫力は大変弱く、タイミングが悪かったり、
気付くのが遅れると最悪の場合重症化することもあるのです。
基礎疾患あり、入浴拒否が多い利用者さん
→基礎疾患はさきほどと同じようなものです。そして拒否が多い利用者さんということです。
もちろん週に2回ほど、体調に応じて入ることがベストであることに変わりはありません。
しかし、1つだけ知っておいて頂きたいことが、入浴拒否する原因が入浴嫌いからではなく、基礎疾患によるものだった場合です。
入浴を強制したり、誘導するのは絶対にやめていただきたいです。お風呂に入ると息苦しくなる、辛くなる、という方もいます。
私達は若いので、そういうことはまずないですよね。なので、お風呂ごときで、と感じてしまうかもしれません。
たとえバイタルサインが落ち着いているからといって本人からの苦痛の訴えがある場合には、よく看護師と相談して入浴するかしないかの決定をしましょう。
また、入浴時間や湯の温度にも気を配りましょう。
デイサービスでの足浴回数
足浴の目的としては、体を清潔に保つだけでなく、リラックス効果・血流改善効果などがあげられます。
実施するのにおすすめなのが、さきほどの入浴項目でいう、②③④の方におすすめです。
入浴したいのに、出来なかった場合は足浴するだけで少し入浴気分が味わえます。
入浴を拒否する方も、足浴してみてリラックス効果を感じることで、安心して次回からは入浴への拒否が減る可能性もあります。
足浴は絶対にこの回数という決まりはありませんが、優先順位をつけて実施できるといいですね。
デイサービスでの入浴の工夫
ここまで入浴や足浴の回数についてお話してきましたが、せっかく入浴するならスッキリしつつ、入浴を楽しんでもらえたら嬉しいですよね。
いくつか簡単にできる入浴の工夫を紹介します。
お手軽に気分を変えられる、入浴剤!
定番ですが、色やにおいを変えることで気分がかわりますね。皮膚に異常がある際には使えませんが、秋冬の乾燥する時期には保湿成分の入った入浴剤を使うと皮膚のかゆみを抑えられるのでおすすめです。
歌を歌ったり、数を数えてにぎやかに!
つい入浴って忙しいので、無言で取り組みがちなのですが、
「○○歌ってみましょう」「20まで数えたら出ましょう」
と基本的に声を出すのを利用者さんにお任せしてしまえばこちらの負担は少ないと思います。
★入浴後のお楽しみを準備する!
とくに入浴拒否のある方にはいいですね。入浴後は水分の摂取をすると思いますので、
何を飲むか事前に聞いておいて「お風呂からあがったら準備して待っていますよ」と伝えておくだけで
「まぁ、入ろうかな」という気持ちにもっていけるかもしれません。
飲み物は数種類あるとより良いですね!
まとめ
デイサービスでの入浴、足浴についてお話してきましたが、いかがでしたか?
入浴自体大変重要なことなので、体調に合わせて出来る限り気分よく入浴して、入浴が出来なくても足浴でスッキリしてもらえると良いですね!
看護師や他職員とうまくコミュニケーションをとって、その利用者さんにとってベストな入浴を提供。
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