秋の味覚、「栗」。
子供の頃は、いつの間にか母が塩茹でにして、もうすぐに食べられるように、
包丁で半分に割った状態で出してくれていて、いたれりつくせりでした。
私は食べるだけの立場でしたので、栗にはおいしい思い出がたくさんあります。
しかし、いざ自分で茹でて食べるとなると、うーん、面倒くさい。
そんな風に感じる人、きっと他にもたくさんおられますよね。
そこで今回は、栗のレンジを使った簡単な蒸し方や、レンジで作る栗のレシピなども、
ご紹介いたします。
栗を蒸す時、蒸し器を使ったり、あるいは、鍋で茹でてしまえば良いのですが、
鍋を準備する手間や時間がかかりますね。
ちょっとおっくうに感じませんか?
もっと簡単にできないかな、ということで、レンジを使った蒸し方を
ご紹介いたします。
①まず、栗は、外側をよく洗って、半日~ひと晩、水に漬けておきましょう。
少しでも皮を軟らかくすることができます。
②ひとつずつ、栗を取りだし、包丁で下側の堅い部分
(安定感があるので、お尻ともいわれますね。)を少し切り落としておきましょう。
少しと言わず、大きく切ってもOK!
③耐熱性でレンジ可の容器に栗を入れ、栗が被るくらいの水をいれます。
④容器にラップを被せて蓋をしましょう。2枚重ねにすると、より安心です!
⑤容器ごとレンジに入れ、600Wで3分間、加熱します。
※ただし、レンジは、それぞれの機種で、加熱時間はどれくらいが
良いか違いますから、時間の方は多少増減して調節していきま
しょう。
レンジは一度に長くかけるより、3分加熱した後は、様子を見な
がら少しずつ足してくださいね。
⑥レンジから出しても、しばらく放置して冷ましましょう。
栗をレンジで加熱する場合、せっせと皮をむいてからなら大丈夫なのですが、
先ほどご紹介した方法のように、皮ごとレンジ加熱すると、
なんと“爆発”しやすいので、ちょっと注意が必要になります。
先日、ぎんなんを人からもらい、はじけさせるのに、レンジを使う方法を
教わりました。
ぎんなんの実はひとつずつが小さいので、銀行などでもらう封筒に入れ
てからレンジに入れて加熱すると、パンパンとはじける音がして、
袋から飛び出すことなく、うまくできあがりました。
ぎんなんも栗も固い皮で覆われていて、レンジにかけると、密閉された中で、
実の中の空気や水分が温まり、水蒸気などの体積が増えてゆき、
行き場がなくなりついには爆発!ということになるのでしょう。
卵も、殻ごとレンジ調理するときは爆発に注意!と、よく言われますよね。
これも同じ原理でしょう。
先ほどご紹介した、レンジを使った栗の蒸し方のところで、
「下側の部分を少し切り落としておく」のも、この爆発を防ぐためのひと手間です。
栗の実が、皮で密封状態にならないようにするためですね。
さらに、念には念を入れて、栗のとがった方の先に、上から見た時、
十字になるように、切り込みを入れておくのも有効ですよ!
また、栗をもっと簡単に蒸したいなら、なんと、ぎんなんと同じように、
封筒などに入れてレンジにかける方法でも、5~6個の少量なら、チャレンジできますよ。
ただし、この場合にも、まずはよく洗って、水に漬けて皮を軟らかくする、
というのは同じです。
そして、爆発予防に、下の方を切り落としてもいいのですが、色の違う堅い部分と
茶色の皮の境目にざっくりと切り目を入れておくのがいいそうですよ。
皮がむきやすくなりますし。
この方法も、爆発しやすいので、念の為、栗のとがった方にも切り込みを入れておく方が
いいですね。
そこまで準備できたら、大きめの封筒に栗を入れ、重ならないようにばらつかせ、
袋の口を2回折って蓋をします。
そして、レンジは、200~300Wなど低い出力で、2~3分加熱しましょう。
多少身崩れがありますが、薄皮もきれいに剥がせます。
栗がたいへん熱くなりますので、袋から出すのは冷めるまでしばらく待ちましょう。
くれぐれもやけどには気をつけてくださいね。
さて、栗もなんとかレンジで蒸せることがわかりましたが、今度は、
そこからまたレンジで作れる栗の料理をご紹介します。
ひとつ目は、栗といえば、おせちにもよく作られる「栗きんとん」が頭に浮かびますが、
その栗きんとんに使う「栗の甘露煮(かんろに)」を、レンジで作るレシピです。
①茹でて、または蒸して、皮を剥いた栗を用意し、さっと水洗いします。
栗20個に対して、水100 ~150 ml と砂糖100 ~150 g を準備しましょう。
(甘さ控えめにしたい場合は、砂糖は100 g で!)
②耐熱容器に、水・砂糖を入れて混ぜたら、あれば、クチナシを少々入れてから、
栗を投入します。
クチナシを使うと、色がきれいな黄色に仕上がりますよ。
③軽く蓋をして、600 W で5~7分レンジにかけます。
④そのまま放置して、冷まします。
または、ここで、お馴染みの「おでんに味をしみ込ませる方法」と同様に、
容器ごとアルミの袋など(大きな保冷バッグが便利です。)で包んでおくと、
温度が冷めながらに、さらにじわじわと味をしみ込ませることもできますよ。
⑤すっかり熱が取れたら、冷蔵庫に入れて冷やしましょう。
ふたつ目のレシピは、保存も効く、「栗ペースト」の作り方です。
①まず、栗(ゆで)と、栗の重さの4分の1位の分量の牛乳と砂糖を用意します。
②皮を剥いた栗の実を取りだし、すり鉢とすりこぎで潰していきます。
途中で少しずつ砂糖と牛乳を加えながらのばし、ペースト状になるようにします。
※もしあれば、フードプロセッサーを使うと早く簡単にできて便利ですよ。
③ここまでできたら、耐熱容器に移し、600 W で5~6分レンジにかけます。
④取り出したら、よく混ぜましょう。
この栗ペーストは、とってもパンに合いますし、アレンジしてお菓子作りにも使えますね。
また、冷凍保存もできて、栗を長く味わえますね!
栗が手に入ったら、ぜひ、作ってみてください。
秋のおいしい栗!
今回は、その栗をレンジで簡単に蒸したり、調理したりする方法を、ご紹介しました。
専用の栗の皮むき器がありますが、それを使っても、やはり堅い栗の皮を剥くのは、
かなりの労力が必要ですね。
そこで、レンジを使って蒸したり茹でたりすると、そのあとに皮を剥くのがとても
簡単になります。
ただし、栗を皮ごとレンジ調理すると、卵やウインナーなど他の食品にもよくあるような、
「爆発」を起こすことがあるので、注意が必要です。
食品がレンジ内で爆発すると、掃除が大変なだけでなく、
レンジ自体が故障してしまうこともあります。
その予防として、栗の皮の一部を切っておくという、下処理を必ずしておきましょう。
秋の味覚でしっかり栄養を蓄え、寒い冬を乗り切りましょう!