柿の渋抜きに失敗!?渋みの原因や口に残った時の対処法を紹介!

秋は柿のおいしい季節ですね。

スーパーなどの店頭にも、キレイな形の柿がたくさん並びます。

子供の頃、柿の木を持っているお宅の、塀の外にはみ出さんばかりの、

たわわに実った柿を見ながら、1つもぎ取って食べてみたいな、

なんて思いながら、学校へ通ったのを思い出します。

しかし、あの柿は、甘柿だったのか、渋柿だったのか・・・。

さて今回は、柿の渋抜きに失敗して、食べてみたら渋かった!

という時に、口に残った渋みをどうしたらよいか

また、なぜ渋抜きに失敗したのかという理由や、

柿の渋みの原因と対処法を探り、ご紹介いたします。

柿の渋抜きに失敗した!その理由は?

「柿の渋を抜く」とは、柿から渋を取り出すわけではなくて、

その原因となるタンニンという物質を、ヒトの舌で苦いと感じなくするために、

唾液に溶けない、つまり「不溶性」にする作業です。

ぱっと思いつくのは、「干し柿」ですね。

干し柿にする時、皮をむきますが、その刺激や次第に乾燥して

水分が少なくなることで、タンニン同士がくっついて大きな分子になり、

不溶性にすることができます。

その他に、家庭で柿の渋抜きをする方法には、アルコールを吸わせる方法と、

炭酸ガスを使って柿を窒息状態にさせ、アルコールを発生させる方法が、

よく知られていますね。

どちらも、“柿の中にアルデヒドを産生させる”ことで、タンニンがアルデヒドと

くっついて、不溶性になるため、苦みを感じなくなる、という原理です。

「アルコールを使う」場合は、柿のヘタの部分に、焼酎などの

濃いアルコールを付けてからビニール袋に入れて密閉すると、

3~数日かけて渋抜きができます。

できるだけ、アルコール度数が高い焼酎がいいそうで、保管場所は、

こたつの中などの暖かいところがいいですね。

もう一方の「炭酸ガスを使う」方法は、新聞紙でくるんだドライアイスか、

リンゴと一緒に、ビニール袋に入れて、密封します。

ドライアイスだと3日くらいで、リンゴだと1週間くらいで、

渋抜きができますよ。

もしも、渋抜きに失敗してしまったら、いったい何が原因なのでしょうか。

「干し柿」以外で、ご紹介した渋抜き法は、どれも“密閉する“というのが

キーワードなので、ビニール袋に入れたら、しっかり空気を抜いてから、

口をしっかり縛り、中に空気が入らないようにして、柿を窒息状態にすることが

大切です。

あとは、柿の中でアルデヒドが発生しやすいように、“暖かい場所に置く”

という点も大切ですね。

この2点がうまく出来ていないのが、失敗の理由ではないでしょうか。

加えて、それぞれの方法に使うものの量や濃度が、適切かどうかも

関係するでしょう。

そして、実は、柿には、品種によってどの方法が効果的か、

向き不向きがあるのです。

柿って、なかなか奥が深いですね。

柿の渋みの原因はコレだった!

柿は、日本の昔話、「さるかに合戦」にも登場するように、昔から、

世界中で食べられてきた果物ですが、その種類はなんと1000品種ほども

スポンサードリンク

あるそうですよ。

そして、大きく分類すれば、実を食べた時の甘いか渋いかで、甘柿・渋柿、

そして、不完全甘柿、の3種に分けられます。

この柿の渋みは、種が成熟するまでの間、鳥や虫に食べられないように

するための、柿が持っている防御機能だそうです。

植物って、すごいですね。

ですから、渋柿も、完熟すれば渋さはなくなり、甘くおいしくなりますよ。

柿には、「タンニン」という物質が含まれていて、これが渋みの成分ですね。

そして、実の中のタンニンが、水に溶けやすい「水溶性」になっているか、

水に溶けにくい「不溶性になっているかによって、食べた時に、

舌で渋みを感じるかどうかが決まってきます。

つまり、渋柿のタンニンは「水溶性」の形なので、私たちの口の中で

唾液に溶けるため、舌で渋みを感じてしまうのです。

これが、渋柿が渋く苦い原因です。

スーパーで売っている柿が、生で切って食べる時、どれも甘くておいしいのは、

全部が甘柿なのではなく、渋柿も「渋抜き」をしてから売られている

からなんですね。

柿の渋みが口に残った時の対処法は?

柿が、渋抜きの失敗で、食べたら口いっぱいに渋みが残ってしまった

なんて時は、どうしたらいいでしょうか。

これは、柿の実の中で、タンニンが水溶性になっている状態ですから、

これが、私たちの舌の苦みを感じる細胞に、はまらないように不溶性に

変えてやると、苦みとして感じないようにできます。

そこで、タンニンをタンパク質とくっつけることによって、

タンニンの粒子を大きな結合体にしてやる方法があります。

苦みが残ったら、たんぱく質を多く含む食品である牛乳やヨーグルト、

バニラアイスなどを、急いで口に入れるのがおすすめですよ!

渋柿を加熱調理する時に、せっかく渋抜きで不溶性に変えていた

タンニンが分解され、また水溶性に戻ってしまう=「渋戻り」を起こします。

よく、柿ジャムを作ったら、苦くて食べられなかった、

というお話を聞きますよね。

柿を加熱調理する時には、同じように、卵、肉、魚などのタンパク質を

多く含む食品や、生クリームやチーズなどの乳製品と、

一緒に料理すると、この渋戻りも防ぐことができますよ。

ジャムを作る時には、あらかじめ、元々甘柿だったかどうかを確認して

おく方がいいでしょう。

まとめ

昔から、身近な果物である柿ですが、甘柿と渋柿があるということは

知っていても、スーパーで買って食べるとどれも甘くておいしいので、

「渋抜き」については、知らないことも多いですよね。

たくさん実を付ける柿の木があるお家なら、きっと

毎年されているでしょうけれど、そうでなければ、

そんな機会もありませんし、私も母から体験談を聞きはしますが、

自分でしたことはありませんでした。

今回は、柿の渋みの原因と、いろいろな渋抜き法や、失敗した時の理由や、

渋みが口に残ったときの対処法など、ご紹介いたしました。

私も調べているうちに、柿の世界を少し知ることができて、

次に柿を食べる時には、もっといろいろ考えながら食べてみたいと思います。

渋抜き法のところでは、ご紹介していませんが、簡単な渋抜き方が

もう一つあります。

米櫃の米の中に入れておくと、2~3週間かかりますが、渋抜きできる

そうです。

ただし、知らない家族がざくっとお米をすくって柿がつぶれ、

その日は柿ごはんになるなんて失敗談もありますので、ご注意くださいね。

スポンサードリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする