この頃、健康&美容のためにと甘酒がブームです!
TVの情報番組でもよく取り上げられていますよね。
その甘酒を作るとき、原料として使われるのが米麹(こめこうじ)で、白米に麹(こうじ)菌を繁殖させ、でんぷんを糖化させて作られます。
また、さらに塩こうじを作って料理に使えば万能調味料にもなり、塩味だけでなく、独特の旨みやコクが加えられると重宝されていますね。
米麹を乾燥させたものがスーパーでも手に入るのですが、ネット通販などで麹菌を手に入れられるので、お米から手作りして、“自家製米麹”を作ることができるんです。
しかし、麹は生きもの!温度管理が大事で難しいところ。
そこで今回は、発酵器がなくてもできる、家にあるものを使って手作り米麹を作る発酵法や、温度管理の方法をご紹介します。
米麹を手作りで失敗しないコツ
米麹を作るには、温度を管理しながら発酵させるために発酵器が必要です。
しかし、発酵器がなくても、家にあるものを利用したり温度管理を工夫してやればうまく発酵させることができ、”自家製米麹”をつくることができます。
《用意するもの》
○米
○種麹(麹菌)
○発砲スチロールの箱など(保温器として使います。)
○清潔な布(さらし布のようなもので、大判なもの:蒸し米を包みこめる
大きさ)やタオルなど
○毛布、湯たんぽ、こたつ、新聞紙など
○温度計
○蒸し器(またはせいろ)、ザル、しゃもじ、大きなトレー、バケツなど
○容器の消毒用の焼酎(焼酎を染み込ませた布で拭いて、アルコー
ル除菌します!)
《米麹作りの流れ(例)》
1.洗米し、水に漬ける。
(夏:3~5時間、冬:15~20時間)
2.水切りをする。
(均一な水分量になるように、ときどき上下を入れ替えるように混ぜるのがコツ。ザルの米の真中にくぼみを作ってやると、均一に水を切れるそうですよ。)
3.米を蒸し、手早く広げて冷ます。
(一度蒸してもまだ水分が足りなくて固い状態なら、再度蒸してOK。蒸しあがったら、焼酎で消毒したトレーに広げしゃもじで切るように混ぜて、素手で触れるようになるまで熱をとばしていきます。)
4.「種切り」(種麹をまく)をする。
(※目安は、蒸し米が36℃くらいになったら。)
まき終えたら素早く、用意していた布で蒸し米をくるんで丸く小さくします。
5.発砲スチロールの箱(保温器)に移し、「引き込み」(保温・培養)開始!
(※温度が30~32℃になるように、蒸し米を毛布で包んだり、保温器内に湯たんぽを入れたり、その全体をこたつに入れたりして、いろいろと工夫しましょう。)
6.種切り後18~20時間後「手入れ1回目」を行う。
(※目安:品温が38~40℃になったら。)
7.1回目から半日後「手入れ.2回目」を行う。
8.2回目から5~6時間後「手入れ3回目」を行う。
(トレー内の敷き布は取ります。※ここからはとくに麹菌が酸素を必要とするので、密閉状態にならないように注意しながら、温度(37~42℃を保つ)にも気をつけましょう。)
9.約半日後
(※ここで、しっかり40℃以上を保つことで、甘味の強い米麹ができますよ。)、完成!保温をやめましょう。
種切り後から完成までの工程は約2日間です。
米麹には、納豆菌が大敵なのですが、そういった麹菌以外の必要のない雑菌が入り込み、一緒に培養されてしまうことがあります。
そうなると、残念ながらせっかくの麹作り全体が失敗に終わることも。
それを防ぐために、米麹作りに使う器具や容器は、必ず”焼酎”などを使って、アルコール消毒しておきましょう。焼酎を染み込ませた清潔な布などで拭いて乾かしておけばOKです。
納豆菌とは好む温度も湿度も違うので、麹菌に適した温度帯や水分の管理をしっかりすることも防止対策になります。
また、米麹を作りたいときは、「ササニシキ」や「あきたこまち」などの”粘りの少ない”麹作りに適した品種の米を用意する方が、失敗が少ないですよ。
手作り米麹が失敗しない温度の基本
米麹作りを失敗しないための温度管理の基本は、36℃に下げた蒸し米に麹菌を蒔いたら、完成までの間、30℃を下回らないように、また42℃を上回らないように、その間の温度帯で保つというのが一番大切なことですね。
品温の管理をするうえで、「手入れ」を行う際に温度が下がりすぎたりするのを防ぐために、室温も管理するようにするとやりやすいですね。
どちらかというと、冬の方が作りやすく、夏は品温が上がりやすいので、とくに温度管理に注意が必要です。
手作り米麹を発酵させる簡単なポイント
米麹を手作りするとき、”種麹”の量は、通常1kgの米に2gでよいのですが、初心者の場合や慣れないうちは、その2倍の種麹を使うのがおすすめです。
そうすると、麹の成長が早くなるので作りやすくなります。麹菌が多いのは構わないので、5倍位まで増やしてもOKですよ。
また、種麹を蒔くときは、蒸し米から40~50cm程上の高さから巻くと、均一にいきわたります。
料理のとき、塩やこしょうを高い位置から振るのと同じ要領ですね。
さらに、種麹を蒔くときは、一度に全部でなく何回かに分ける方がよいのですが、この時も蒸し米が冷えないように注意しましょう。
そして、保温中の理想的な湿度は70~80%です!蒸し米が乾燥しすぎないように、水で濡らした布巾を保温器に一緒に入れるなど工夫して、湿度にも気を配りましょう。
それから、培養の間、保温器内が密閉状態になると、麹菌が死んでしまい、失敗につながります。
隙間を開けて清潔なタオルや布巾などで覆い、雑菌が入らないようにしながらも通気ができるよう工夫するのが大事なポイントです。
その他、もし発酵の途中で米がオレンジ色になっていたら、発酵が進みすぎているので、その時点ですぐに発酵を終了しましょう。
まとめ
美味しくて体にも良いことがたくさんの甘酒。
そして、万能調味料として料理の幅を広げ、健康にも良いと話題の塩こうじ。
それを作るもとになる「米麹」を、手作りしたい!
そんなとき、失敗しないための温度管理の方法や発酵方法について、ポイントなどを解説しました。
温度や湿度の調節を、家にあるものを使って工夫できるので、ぜひお試しくださいね。