ひな祭りは3月に行われる行事で、
女の子の成長をお祝いするためのものです。
そのため、高齢者へのレクリエーションには
向いていないと思われる人も多いでしょう。
しかし、ひな祭りレクリエーションを
行うことで季節感を味わうことができます。
また、ひな祭りレクリエーションに
参加していただくことで昔のことを思い出し、
脳の活性化にもつながりますよ。
高齢者施設で行うことのできるひな祭りレクリエーションには、
おやつレクリエーションや工作レクリエーションがぴったりです。
今回は、ひな祭りにおすすめの
工作レクリエーションについてご紹介します。
おひなさまを作る時のポイントや注意点、
工作レクリエーションの効果についても
詳しく説明していきますよ。
ひな祭りでの工作レクリエーションには、
折り紙を使用するものと
紙コップを活用するものがあります。
折り紙でひな人形を作る場合には
いくつかの折り方があるので、
高齢者の指先の機能性などを考慮して選びましょう。
今回は、紙コップで作るひな人形の作り方をご紹介します。
用意するものは
白の紙コップ2つ、折り紙、はさみ、のり、サインペンです。
折り紙はひな人形の髪や服の部分になります。
服の部分に使用する折り紙は和柄にすると、
より本格的なひな人形になるのでおすすめですよ。
まず、ひな人形の髪の部分を作ります。
①黒い折り紙を三角に折り、
真ん中の部分をはさみで切って前髪を作ります。
②三角に折った部分を切り、
おひなさま・おだいりさまの両方の髪を作りましょう。
③折り紙の裏に半分ぐらい高さまでのりをつけ、
逆さにした紙コップの上部に貼り付けます。
この時、紙コップのつなぎ目が後ろになるようにしましょう。
④のりが乾いたら、
紙コップからはみ出た部分の折り紙を切り落とします。
次はひな人形の体部分です。
①まず、おだいりさまの着物は
同じような色味の折り紙を2枚用意します。
②2枚の折り紙を三角に折って折り目に合わせて切り、
切り口が少し出るようにして2枚貼り合わせます。
③貼り合わせた折り紙を紙コップに合わせ、
2枚の切り口が着物の襟となるようにしましょう。
この時、紙コップからはみ出た折り
紙の部分を紙コップの縁に合わせて指で強くこすり、
折り紙に線を付けます。
④折り紙にうっすらついた線に合わせてはさみで切り、
左の襟が前になるように紙コップに貼り付ければ完成です。
おひなさまの方は服の部分の折り紙を増やしましょう。
十二単に挑戦してみても良いですね。
おひなさまに冠と扇子、
おだいりさまに烏帽子としゃくをつけ、顔を描けば完成です。
施設に入居している高齢者は、
身体機能などが人それぞれ異なります。
そのため指先の拘縮が強い高齢者の場合は、
スタッフが細かい作業を変わるなどの工夫が必要です。
また、高齢者向けに向けて
工作レクリエーションを行う場合には
怪我や誤食に気を付けましょう。
特に先ほどご紹介した紙コップで作るひな人形は、
はさみを使用します。
認知機能の低下により、
はさみと認識できない高齢者もいるので注意が必要です。
また、折り紙を食べ物だと認識してしまい、
口に入れてしまうこと考えられます。
認知機能が低下している入居者にはスタッフをつけ、
工作の手助けを行うようにしましょう。
高齢者に向けての工作レクリエーションには、
主に2つの意味があります。
1つは指先の運動です。
高齢者の体は指や腕・足などの関節が固くなります。
視力も低下していくので、
指先を使う作業を控える高齢者も多くみられます。
工作レクリエーションは、
高齢者の指先の運動にぴったりの企画内容です。
工作の工程に移る前には準備運動として、
指先の体操を行うようにしましょう。
もう1つは脳の運動です。
指先だけでなく、体を動かす内容のレクリエーションは
脳の運動にもつながります。
最近では、認知症予防には
継続した日々の運動が良いとも言われていますよ。
施設での生活はそれまでの生活に比べ不自由な部分も多く、
居室にこもりがちの高齢者もみられます。
工作レクリエーションを取り入れるだけでなく、
ご飯前やおやつ前には体操を行うなど、
体を動かす機会を積極的に作っていきましょう。
「ひな祭りは女の子向けのものなので、
工作レクリエーションは子供向けなのでは?」
と思われる人も多いでしょう。
しかし、高齢者向けの工作レクリエーションには
様々な効果が期待できます。
工作の内容もおひなさまを作るだけでなく、
屏風やたたみ、ぼんぼりを合わせて作れば
立派なひな人形になりますよ。
女の子の孫やひ孫がいる高齢者には、
プレゼントとして送るように促してみても良いですね。