誰もが一度は栽培したことのある、お馴染みの夏のツル科の植物といえば、
朝顔ですね!
ゴーヤやヘチマなどと並んで、グリーンカーテンにもできるので、
今年は育ててみようかな、とお考えの方も多いことでしょう。
ベランダをふと見ると、フェンスがありますが、そこに朝顔を巻き付けられたら、
観賞するのも可愛らしくて、涼しげで、緑があるだけでなく、
花も咲いてベランダに彩りを添えてくれますよね。
外からの目隠しの役目も果たしてくれます。
では、このフェンスの支柱に朝顔を巻き付けていくには、どうやって
栽培したらいいのでしょうか。
小学校で低学年の子供たちが、一番初めに栽培するくらい、育てやすいと
いわれる朝顔ですが、水やりや害虫対策など、あらかじめポイントを
押さえておきたいですよね。
そこで今回は、ベランダ栽培で、フェンスの支柱に朝顔を巻き付けていく方法を、
水やりや害虫対策などのポイントとともにご紹介いたします。
朝顔をベランダの支柱を使って育てる方法について
ベランダのフェンスの支柱に、朝顔を巻き付けたい場合、横一列に朝顔を配置したいので、
やはり、プランター栽培が適していますね。
朝顔を植えたプランターを、フェンスのすぐ前に並べて行きますと、
成長してツルが伸びたとき、支柱に誘引していけます。
ではまず、ベランダのフェンスの、どこからどこまでに朝顔を育てたいか、
日当たりなどを考えて決めたら、その前に並べるプランターも
いくつ置くかが決まりますので、種や用土など、準備していきましょう。
もし、ベランダがコンクリートで、とても日当たりが良い場合には、
盛夏になったとき、あまりの照り返しの強さで、プランターが
熱くなりすぎてしまいます。
その対策として、ブロックやレンガなどで、足台をしてから
プランターを置くと、風通しがよくなりますよ。
準備ができたら、いよいよ種まきです。
朝顔は、気温20℃以上の日が続くようになってから種まきをすると、
大きく育てることができます。
4月はまだ肌寒い日も多いので、5月の中旬以降、充分気温が高い日が
続くようになってからの種まきがいいですね。
早まきをすると、うまく発芽しなかったり、発芽しても、生育が悪かったり、
大きくならなかったりします。
プランターに種を蒔く場合は、たくさん蒔いておいて、芽が出てきたら、
成長が良い株を3株くらい選んで、他を抜いてしまって、「間引き」します。
そして、葉が8~10枚になった頃、今度は、「摘芯(てきしん)」
という作業をします。
これは、ツル科植物の性質で、上へ上へと伸びて行こうとするのを止めてやり、
枝別れした子ヅルをたくさん増やして伸ばしてやるための作業で、
親ヅルの先2~3㎝のところをハサミで切ってしまいます。
ちょっとかわいそうな気がしますが、「摘芯」を行うことで、横の子ヅルを
しっかり成長させ、たくさんの花を付けてくれるようになりますよ。
その後、盛夏となり、朝顔がどんどん成長して、支柱の長さを超えてしまったら、
またそこで、その子ヅルの摘芯も行います。
それから、朝顔は好き勝手な方向に伸びていき、自分から支柱に
巻きついてくれるとは限りませんので、「誘引」を行います。
ツルが50㎝位になってきたら、巻き付いてほしい支柱とツルとを、
園芸用のテープや紐で、ゆるめに固定してあげてください。
朝顔の子ヅルの成長とともに、その作業をときどき行っていくと、
支柱ごとにうまくツルを巻き付けられると思います。
朝顔をベランダで育てる時に抑えておくべき水やりのポイント
朝顔の水やりは、基本的に、花が咲くまでは少し控えめでよく、1日1回、
午前中に行いますが、花が咲き始めたらプランターの下から水が
出てくるくらいに、たっぷりの水をあげます。
後で解説していますが、葉裏に寄生する害虫対策にもなるので、
特に雨の少ない時には、葉にもシャワーをかけてやりましょう。
そして、真夏になり、気温が上がってくると、土が乾燥していたら、
夕方にもう一度水やりを増やして、1日2回にします。
ここで、注意ですが、晴天の日の11~15時の間は、水やりを控える方が
良い期間帯ですので、たとえ朝の水やりができなかったとしても、
夕方まで待ってからにしましょう。
猛暑の中、土の中の水が沸騰してしまい、根を傷めてしまうからです。
また、逆にベランダの場合は、日照が限られていることもありますから、
もし土がまだ湿っている時は、夕方の水やりは控えるなど、土の乾燥を目
安にしましょう。
それから、ベランダ栽培の場合は、思わぬトラブルに見舞われないよう、
排水について気を配らないといけません。
集合住宅やマンションの場合は、特に気をつけたいですね。
時々、排水溝に落ち葉やゴミが詰まっていないか確認しながら、
掃除もしておきましょう。
朝顔をベランダで育てる時に有効な害虫対策とは?
朝顔にも、やっぱり害虫もくるし、病気もあります。
天候にも関係していて、雨が少ない年には、葉につく害虫が
発生しやすくなります。
また、害虫が原因となって発症する「モザイク病」
(アブラムシなどが、ウイルスを媒介)という病気もあるので、
注意が必要ですね。
では、朝顔にくる主な害虫と対策を、解説していきます。
<ホコリダニ・ハダニ>~葉裏に寄生する小さな虫
■ホコリダニは、目に見えないくらい小さなダニで、新芽などの
軟らかい組織に寄生するため、成長が止まります。
寄生された葉は縮れたようになり、茶色くなって枯れてしまいます。
■ハダニは、0.5㎜以下の体長の小さなダニで、葉の裏側に寄生して、
吸汁します。
寄生された葉は、艶がなくなって、黄色から白っぽくなり、
さらに茶色くなって枯れてしまいます。
どちらも、専用の駆除剤もありますが、葉の裏側に強めの水シャワーを
当てると、洗い流すことができますから、水やりの時には、葉にもかけ
てやりましょう!
<オンシツコナジラミ>
これも、葉裏に寄生しますが、株を揺すっただけで一斉に飛び立ちます。
<アブラムシ>
これは、植物のある所ならどこにでもいるし、群れになって
茎などについているのを、良く見かける虫ですよね。
朝顔にも、新芽や葉裏に寄生して、吸汁します。
群生すると植物は成長できなくなりますので、あまりにも目立つなら、
専用の薬剤で駆除した方がいいでしょう。
<アザミウマ・オオタバコガ>~花を食べる虫
■アザミウマは、体長1~2㎜の細長い虫で、花や葉裏に寄生して吸汁
します。
寄生された花や葉は、表側のところどころに、黄色の隆起した斑点が見え、
その裏側は白い傷ができています。
この虫も、たくさんいる時は、専用薬剤で駆除した方がいいです。
■オオタバコガの幼虫は、花や若葉を食害します。
体長3~4㎝までになる幼虫で、日中は、花や蕾の中に隠れていて、
夜になると動き出します。
花や蕾を食べますので、形がおかしい花が混じっていたら、この虫が
潜んでいる可能性ありですから、早めに専用の薬剤で駆除しましょう。
見つけたら直ちに捕殺した方がいいですよ!
<ヨトウムシ>
これは、ガーデニングをしている人には、お馴染みの土によくいる害虫
ですね。
食欲旺盛なヨトウムシは、土中に潜っていますが、夜になると
地上に這い出してきて、茎や葉を食べます。
これも、見つけ次第捕殺したいですが、専用の薬剤もありますので、
早いうちに対処しましょう。
<ナメクジ>
梅雨時、夕方になると、どこからともなく出てきて花や葉を食べます。
これも、見つけたら捕殺しますが、専用の薬剤で駆除しましょう。
梅雨ということは、朝顔はこれから大きくなって蕾ができる、
という段階ですから、食べられては困りますよね。
<カメムシ>
朝顔には、カメムシがよく飛んできます。
洗濯物にもよく付いてきて室内に侵入し、臭い匂いを出す、あの虫です。
朝顔の茎や葉から吸汁し、葉裏に卵を産みつけます。
専用の薬剤がありますので、たくさんいるようなら、
駆除を急ぎましょう。
卵を産みつけられたら、その葉ごと切り取りましょう。
数が少なければ、放っておいてもいいようですが、気になるようなら、
簡単な専用殺虫剤もありますし、ガムテープを裏側にして
(何か棒状にしたものに巻いてもいいのですが)、
ペタペタと引っ付けて捕ることもできますよ。
まとめ
もし、ベランダに朝顔が咲いていたら、ちょっと心が和むし、風流です
よね。
緑があれば、見た目にも涼しいし、そこに花も咲く朝顔は、ベランダに
彩りを添えてくれます。
その朝顔を、ベランダの支柱に巻き付ければ、フェンスを美しく飾り、
目隠し効果もありますね。
今回は、ベランダの支柱を使った、朝顔栽培のポイントについて、水や
りと害虫対策など、解説いたしました。
朝顔の栽培には、水やりが重要なポイントですから、水切れすることの
ないよう、毎日、土の乾燥具合をチェックしてあげましょう。
今年はベランダの朝顔が、たくさんの花を咲かせてくれるといいですね。