初心者だけどガーデニングを楽しみたい!と思ったら、「宿根草」
(しゅっこんそう・しゅくこんそう)が、おすすめですよ。
宿根草というのは、一つの草花の名前ではなくて、一度植えると、
数年は植え替えることもなく、丈夫で管理が簡単なのに、毎年成長しながら、
季節が来ると花を咲かせ、私たちの目を楽しませてくれる植物の総称です。
中には、植えっぱなしにできるものもあり、手間がかからず、
実はガーデニングの初心者向き!
そこで、ガーデニング初心者さんにもおすすめの、宿根草について、
簡単に育つポイントや、育てやすい品種など、ご紹介していきます。
植物には、花が咲き実を結び、その年だけで終わってしまう、「一年草」
と、一度植えると、毎年花を咲かせ、枯れても根や葉は残り、
また翌年開花する、「多年草」とがあります。
その多年草の中で、根だけが残るものが「宿根草」ですが、この頃では、
根だけでなく地上部の葉などが残るものも、宿根草に含む場合もあって、
区分があいまいになっているようです。
宿根草には、たくさんの種類のものがあって、草丈や葉の色・形、花の色・
形などが、とてもバラエティに富んでおり、ベランダなどの日照条件が
限られた場所でも、さらに、日陰でも生育できる強い品種も多いのが、
うれしいですね。
初心者にとっては、頑張って植えたのに、すぐに枯らしてしまわないか、
というのは大事なポイントですから、できるだけ強い品種を選んで始め
たいですね。
それに、小さなスペースしか使えない場合にも、栽培が可能ですし、
その方が、手入れや管理の時間が少なくて済むなど、考えように
よっては利点ともいえます。
まずは、小さなスペースでOK!手入れも簡単で経済的な、
宿根草の栽培から、ガーデニングを始めてみましょう。
そこで、初心者さん向けの、育てやすい品種を、ご紹介いたします。
では、育てやすい品種とは、どんなものでしょうか。
暑さ寒さに強く丈夫で、植えた後、お手入れもできるだけ必要がない、
そんな種類の植物ですね。
まず、宿根草で、育てやすくて人気が高く、冬に花を咲かせるのが、
「クリスマスローズ」です。
開花時期は、12~4月で、名前の通り、クリスマス時期から早春にかけ
て、花を咲かせます。
お手入れは特にしなくて良く、一度植えれば、横へ横へと茎がどんどん
広がりながら成長していき、6~7年も楽しめるという、まさに初心者向けな
お花です。
常緑性で、葉が残り、冬には紅葉もしますので、長く楽しめますが、
あまりジメジメと湿気があるところは向きません。
宿根草でも、開花時期はさまざまで、クリスマスローズのように冬咲きの
ものもあれば、春咲き、夏咲き、秋咲き、とあり、開花時期の異なるもの
を寄せ植えすると、次々と順番に花が咲き、一年中花が楽しめたり、季
節感を味わうことができますよ。
それでは、クリスマスローズ以外の、おすすめの育てやすい品種を、
いくつかご紹介します。
※開花時期を( )に示しますので、花が咲いてほしい季節で選びま
しょう!
この花の香りは、甘くバラに似ていて、虫除けにもなる。
特別な手入れが必要なく、丈夫で、場所を選ばない。
開花期も長く楽しめる。
エディブルフラワー(食用にする花)としても知られ、
ヨーロッパでは、春を告げる花、として親しまれる。
水はけの良い日向に植えれば、特に手入れなし。常緑性で、葉が残る。
日当たりと水はけの良さがあれば、やせた土地でも大丈夫。
暑さにも寒さにも強く、丈夫!
近年、とても人気が出て注目を集め、品種の育成が急速化。
バラエティに富み、カラフルなものが、出回っている。
暑さにも寒さにも耐え、丈夫。
放任でも良く育つが、日光が好きで、湿気のある日影は苦手。
日本の多湿な気候に合っていて、半日陰でも大丈夫で、強い。
とても人気!
丈夫で強く、特に世話なしでOK。
長い穂に、青紫の花が涼しげ。とても人気!
アネモネの仲間。地下茎やこぼれ種でどんどん増えていく。
半日陰でも生育できる。
放任でも、丈夫で、たくさん花が咲く。
日当たりの良い場所が良い。
海外でも人気!花の数を増やしたい時は、丈を揃えて、切り戻すとよい。
放任で手軽な品種。
夏は、午後に陰る場所が良い。
宿根草は、それぞれどんな条件が生育に必要かが違いますから、
どの品種を選ぶかは、お住まいの地域の気候や気温、
作ろうとするお庭やベランダの、日当たりなどの環境条件、
大きさ、地植えか鉢植えか、また、開花時期、
自分の好みなども考え合わせて、決めていきましょう。
宿根草は、初心者にも育てやすい丈夫な品種もたくさんありますが、
逆に、お手入れや管理に手間がかかり、おすすめできない品種もあります。
そこで、ガーデニング初心者さんが、避けた方が良いと思われる品種には、
どんなものがあるか、例を挙げてみましょう。
まず、よく学校の花壇などに植えてあるバラ。
バラが咲く庭なんて憧れますが、病虫害が多く、剪定や誘引、
肥料も必要だし、やらなくてはならない手入れがいろいろあって、
たいへんな事は、よく知られていますよね。
この頃では、初心者でも育てやすい、手間の少なくてすむ品種も
出ているそうですので、チャレンジするなら、病害虫に強くて管理が
簡単なものから、始めるといいですね。
そして、花占いに使う花の代表で、かわいらしい花を咲かせる、
マーガレットは、開花時期が3~6月ですが、その後、梅雨時期の
高温多湿から夏にかけては、根腐れをおこしやすく、暑さに弱いうえ、
寒さにも弱く、霜にあたると枯れるので、冬を越すのは難しいでしょう。
これでは、多年草として考えると、残念なことになりますよね。
また、冬にホームセンターなどに出回り、天然のクリスマスツリーとして
飾り付けをして楽しむなど、人気のゴールドクレストは、乾燥や低温に弱く、
冬の暖房などがかかった室内も寒い戸外も、どちらも苦手です。
さらに、高温多湿にも弱いので、残念ながら植栽にするには難しく、
枯れやすい植物です。
クリスマスに使えるように、地植えで年々大きくしてみたい、と思っても、
日本では難しいそうですよ。
このように、宿根草には、たくさんの種類があり、気候や気温、
日照や風通しなど、生育の環境に合わないものや、病害虫が多いものや、
度々追肥が必要だったりする、管理や手間がかかるものは、
初心者向きではないでしょう。
また、その地域ごとに、適した生育環境で、人気のある種類の品種は、
流通しやすいため多く取り扱っていて、手に入りやすくなります。
そうでないものは、ネット通販などで手に入りますが、選ぶ時の注意事項や、
お世話の仕方まで尋ねることができるという点で、
初めは近くのホームセンターなどで、相談しながら購入するのが好ましいですね。
また、ネット通販では、あらかじめ、いくつか組み合わせてくれている、
寄せ植えセットなどもありますので便利です。
違う品種を合わせて、「寄せ植え」をすると、さらに楽しめますよ。
植物は、草丈、花の色・形、葉の色・形、集合体の姿など、
姿かたちがさまざまに違っているのも魅力のひとつですね。
それをもとに、主役、まとめ役、カラーリーフ、グラウンドカバー、
と植栽の中での役割から、4つのグループに分けることができます。
そして、それぞれから選んで組み合わせることで、それぞれの持つ良さが
引き立てられ、ひとつの素敵な庭ができあがります。
まず、「主役」は、ぱっと見た時に、最初に目につくシンボル的存在になる
花ですから、メインを一つ選び、欲張りすぎないのがポイントです。
まずこれを選び、ここから組み合わせを考えて、デザインしていきます。
高さの違いを生かしながら、庭を構成していきましょう。
例えば、眺める方向から考えて、奥から手前になるほど、
背の低いものを配置していき、中央を一番高くする、
または左右にメインを2種もってくる、など配置を考えます。
この中で、「グラウンドカバー」は、草丈の低いものを、
地面を覆うように手前にもってくることで、他の花を引き立てる働きと、
全体をキレイに見せる働きがあります。
これは、生け花をする時と似ています。
花器の中の土やオアシスを隠すように、そして、
他の花たちをキレイに見せるため、手前を丈の短い草花で埋めていくと、
全体がとても豊かに充実して見えるのです。
それとも、庭でなくて、もっともっと小さなスペースで始めたい、
という場合には、ある程度の大きさのある、大型の鉢植えやプランターの中に、
寄せ植えすることもできます。
また、お庭やベランダの栽培環境によっては、1種類ごとに植えた鉢植えを、
寄せ並べて配置する、「鉢寄せ」という方法もあります。
簡単に入れ替えたり、配置換えをしたりできるのが利点ですし、
これならベランダなどの土汚れも少なく済むし、必要に応じて、
部屋に持って入ることもできますよ。
どの方法にしても、植え付けの時には、まだ小さな状態ですが、
成長した時の姿を想像して、間隔をとり、余裕を持たせておくことがポイントです!
ガーデニングの初心者にもおすすめの宿根草について、
育てやすい品種や選び方のコツを、ご紹介しました。
宿根草には、たくさんの種類があるので、いきなり手間がかかり、
管理のたいへんな品種にトライするのはたいへんですから、初心者さんには、
できるだけ、丈夫な品種で、管理が簡単で、育てやすいものをおすすめします。
毎年、同じ季節がくると花を咲かせてくれる宿根草は、花で季節の訪れを
感じられる喜びも味わえます。
また、年々少しずつ成長していくので、大きくなっていく楽しみもありますし、
育ってきたら、挿し木や株分けで、増やすこともできます。
初心者さんのあなたも、まずはそんな宿根草の栽培から、ガーデニングを
始めてみてはいかがでしょうか。