自宅での介護が困難な場合、老人施設への入所を検討することもあるでしょう。
老人施設は毎日の生活の場になるため、施設選びも重要になります。
大切な家族には、できる限り快適な生活を送って欲しいと思う人も多いでしょう。
ケアの質や設備が充実しているだけでは、良い施設とは言えません。
そこで働いている介護職員の態度や言葉遣いも重要になります。
家族が老人施設に入所している人の中には、介護職員とのトラブルに悩んでいる人も多いでしょう。
そこで今回は、介護職員とのトラブルの事例や解決策などについて解説します。
トラブルを回避し、入居している本人だけでなく、家族にとってもより良い生活を送れるようにしましょう。
施設内でよくみられる、介護職員同士のやり取りに関するトラブルです。
自分の父親が老人施設に入所しているAさんは、介護職員同士のやり取りに不満を感じています。
自分の父親の介護のことについて、本人が目の前にいるのに大声で話しているのです。
一番不満に感じたことは、排便コントロールについてでした。
その施設では入居者全員の排便・排尿回数や行った時間を紙に書いて把握しています。
ある日、トイレ介助を行った職員が、他の入居者の排便・排尿について記録している職員に大声で父の排便状況について伝えているのを目撃してしまいました。
そのときフロアには他の入居者もいて、みんなに聞こえるくらいの声量で言っていたのを覚えています。
しかし、毎日ケアをしてくれている人に対して「やめてください」とは言えませんでした。
この事例のように、介護職員に対して不満を感じていても「毎日のケアをしてくれているから…」と我慢してしまう人が多くみられます。
具体的な解決策については後ほどご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
入所者している人は、ほとんどの場合は介護職員より高齢です。
また、介護職員と入居者・家族という関係上、タメ口や命令口調はNGになります。
しかし、場合によってタメ口を使わざるを得ない場合もあります。
それは、耳の遠い人や認知症の人と話す場合です。
「もうすぐお昼ご飯だから、トイレに行きましょうか?」という例文で考えてみましょう。
耳の遠い人の場合、言葉が長くなることで聞き取りづらくなってしまいます。
特に、「行きましょうか?」など小文字が入ることにより、その部分が聞き取りづらくなってしまうのです。
また、認知症の人の場合は指示を分かりやすく伝える必要があります。
そのため、「もうすぐお昼ご飯」「トイレに行こう」という簡単な言葉になることも。
もちろん、入所者全員にタメ口、命令口調で話す介護職員もいるので、その場合は施設長やケアマネジャーなどに相談しましょう。
介護職員とのトラブルを解決するためには、施設長などの役職が上の人に相談するのが一番です。
立ち話で愚痴のように伝えてしまうと、相手に真剣に受け止めてもらえない可能性もあります。
きちんと話し合いの場を設けてもらうようにしましょう。
その際に、いつ・どこで・誰が・どんな対応をしていたかなどを詳しく記載しておくと、相手にも伝わりやすいですよ。
施設長に相談しにくい場合は、ケアマネジャーに相談しても良いですね。
不満に感じた出来事に対し、時間が経過してから不満を伝えてしまうと、事実を確認することが困難になってしまいます。
不満に感じたことがあった場合は、できるだけ早く話し合いの場を設けてもらいましょう。
家族の中には「いつもお世話になっているから…」と、我慢してしまう人も多いでしょう。
しかし、その介護職員の態度や言葉遣いを良く思っていない人は、他にもいるかもしれません。
他入居者家族と話す機会があれば、さりげなく聞いてみても良いですね。
介護職員の態度や言葉遣いに不満を感じている人が多いほど、施設も事態を重く受け止めてくれますよ。
介護職は人との関わりを大切にする仕事です。
そのため、介護職員は入所者だけでなく家族ともより良い信頼関係を築く必要があります。
家族としても、信頼できる施設に家族のケアをお願いしたいですよね。
介護職員に対する不満は、入所者や家族が我慢をしてしまう事例が多くみられます。
しかし、より良い施設にしていくためには、入所者や家族からの意見がとても重要になるのです。
介護職員に対する不満は、施設長やケアマネジャーに相談するようにしましょう。
他の入居者家族も、同じ不満を感じている場合もありますよ。
1人で抱え込まず、他の人に相談してトラブルを解決していきましょう。