閉鎖的な高齢者施設の生活の中で、
レクリエーションは高齢者にとって良いアクセントになります。
運動や頭の体操をレクリエーションに取り入れれば、
身体機能や認知機能の低下予防に繋がることも。
しかし、施設にはそれまでの生活環境の違う高齢者が
複数入居しており、性格も一人ひとり違います。
既往歴や障害の有無、自立度も人によって違うため、
レクリエーションの企画に悩んでいるスタッフも多いでしょう。
今回は、高齢者へのレクリエーションにおすすめのゲームをご紹介します。
大人数でレクリエーションを行う場合や、
屋外でレクリエーションを行う場合の注意点も踏まえ、
レクリエーションの内容を充実させましょう。
入居者は認知機能もそれぞれ異なるため、
できるだけルールの簡単なゲームを企画することがおすすめです。
また、あまりにも難しいゲームを企画してしまうと、
レクリエーション自体が楽しいものではなくなってしまうことも。
レクリエーションの内容は、入居者に合わせ簡単なものにしましょう。
ボーリングやカラオケなどの体を動かしたり声を出すゲームは、
ストレスの発散や身体機能の低下予防にもぴったりです。
介助や環境設定の仕方次第では、多くの入居者に参加してもらうことが可能です。
また、将棋や囲碁などを趣味とする入居者が多い場合は、
施設内で大会を開催しても良いですね。
大会の結果を掲示することで、高齢者自身の満足感だけでなく、
家族にもレクリエーションの内容を知ってもらうことができますよ。
レクリエーションへの参加を拒否する入居者には
無理に参加を促すのではなく、応援としての参加を促してみましょう。
初めは見ているだけの入居者も、
次第に参加したいという気持ちになることもあります。
そのため、スタッフはゲームを行っている入居者だけでなく、
応援している入居者にも気を配るようにしましょう。
大人数でレクリエーションを行う場合、
特定の入居者だけが楽しめるのではなく、
レクリエーションに参加するすべての入居者が楽しめるのを
目標にする必要があります。
そのためにも、まずは入居者の身体機能などを再確認し、
レクリエーションの内容を考えましょう。
高齢者施設の入居者は身体機能や認知機能、
障害の有無など人によって異なります。
入居者が楽しくレクリエーションに参加できるように
身体機能などを把握し、どのような環境設定や介助を行えば
レクリエーションに参加できるかを検討しましょう。
例えば、レクリエーションでボーリングゲームを行う場合、
入居者が立位を保持できるかが重要です。
立位保持が困難な入居者だと、転倒に繋がる可能性も考えられます。
立位保持が困難な入居者には、椅子に座ってのボーリングを検討しましょう。
もちろん、この方法なら車椅子を使用している入居者も参加できますよ。
上手くボールを投げることができない場合は、スタッフが手を添えても良いですね。
寝たきり状態の入居者やレクリエーションの参加を拒否する入居者の場合は、
応援として参加することができます。
このように、ゲームの内容やレクリエーションを行う環境、
スタッフの介助を考慮することで、大人数の入居者が
レクリエーションを楽しむことができますよ。
高齢者に向けてのレクリエーションを行う場合には、
内容だけではなく、体調面の考慮や環境を整えて
安全を確保することも重要です。
体調面においては当日の高齢者の様子だけではなく、
数日前の様子も把握するようにしましょう。
数日前に熱発がみられた場合は、屋外レクに参加することで
再度熱発する可能性もあります。
体温だけでなく、血圧や脈拍などの他のバイタルサインに合わせ、
実際に本人の様子を確認してからレクリエーションの参加を検討しましょう。
不安な場合は施設の医師や看護師に参加の可否を確認しても良いですね。
また、夏に屋外レクを行う場合には、熱中症の危険性も考慮する必要があります。
できるだけ夏の気温が高い日や日差しが強い日を避けるのが望ましいでしょう。
夏に屋外レクを行う場合は、日差しへの対策や水分補給を取り入れることが大切です。
環境面においては、転倒の危険性を少なくすることが重要です。
施設の敷地内でレクリエーションを行う場合にも、
つまずいて転ぶ可能性の高いものなどはできる限り撤去しましょう。
また、高齢者は体力が衰えている人も多く、
長時間にわたって屋外レクを続けてしまうと、
体の不調につながることもあります。
高齢者の体の不調は、身体機能の悪化や状態の急変に繋がる可能性も。
気温などの環境も考慮し、レクリエーションの時間を設定しましょう。
高齢者施設に入居している人への支援は、
生活支援や体調管理だけではありません。
レクリエーションなどの楽しみや癒しも、
高齢者の生活に大きく関わります。
高齢者施設に入居すると、自宅での生活とは違うため
ストレスを感じる入居者が多くみられます。
スタッフや他の入居者とのコミュニケーションに悩み、
居室にこもりがちになってしまうことも。
レクリエーションへの参加はストレス発散だけでなく、
スタッフや他の入居者とのコミュニケーションにも繋がります。
レクリエーションに参加することで、新しい趣味を作るきっかけにもなりますよ。
複数の入居者のことを考慮したレクリエーションを企画し、
施設で生活する高齢者の生活をより良いものにしていきましょう。