ほとんどの園で毎年保育園で行われる生活発表会や
お遊戯会ではオペレッタや劇など
様々な出し物が子ども達によって行われますよね。
保護者の方も
子どもの1年の成長を感じられる行事なので
とても楽しみにしている方が多いかと思います。
ところが、先生方は今年はどんな劇をしようかと
悩むものですよね。
去年と被ってはいけない、
何か新しいものを考えなくてはいけません。
そこで、今回は劇の選び方や
台本を書く際の注意点、衣装選びについて
アドバイスしていきたいと思います。
劇をするうえでまず最初に悩むのが
土台となる題材ですよね。
選ぶ際に迷わないためのポイントを
いくつかあげます。
生活劇にするのか物語(オペレッタ)にするのか
まずはこれを決めましょう。
普段の保育園での1日の様子や
園外保育などをテーマとして劇にするのが
生活劇です。
普段の様子を劇にするわけですから
子ども達にとってはイメージが沸きやすく
すんなりとできるかもしれません。
以上児クラスであれば、
どの部分を何を切り取って劇にするのか
というところから子ども達と話し合うことで
より意欲わきやすく
先生のイメージを押し付けることなくできます。
しかし、生活劇は完全オリジナルで
台本は最初から先生が書かなくてはいけません。
次に物語を題材にする場合です。
昔ながらのおとぎ話や絵本を題材にするので
台本を書くうえでは少しの手直しぐらいで済みます。
最近では劇用のCDもあるので、
うまく取り入れながらオペレッタとして
発表することもできるので
準備としては生活劇よりはお手軽かと思います。
注意するとしたら、
子ども達が知っている絵本(話)にすることです。
なじみのない話だと、
よく分からないまま演じることになり
それは子ども達にとってはとても難しいことです。
なので、
子ども達がいつも読んでいて大好きな話にするか、
新しいものを取り入れたいのであれば
毎日読み聞かせするようにしましょう。
保育園で行われる劇のベースは
この2つかと思います。
自分の受け持っているクラスの年齢、
様子からどちらが向いているのか考えて選びましょう。
1歳の未満児クラス
1歳児未満でしたら
生活劇より絵本などをベースとした物語の方が
やりやすいです。
その際には、「おおきなかぶ」や「たまごの赤ちゃん」
などある程度繰り返しのある内容を選ぶといいですよ。
2歳児クラス
2歳児さんは未満児クラスですが
0、1歳児より語彙数もぐんと増えて
理解力も増してきます。
なので生活劇もできそうですが、
やはり物語のほうがやりやすいです。
「三匹のこぶた」や「赤ずきんちゃん」など
ストーリー性のあるもののほうが
子ども達も楽しんでできるでしょう。
3歳児以上クラス
以上児クラスさんでは
生活劇を取り入れられるようになります。
物語をするにしても4歳児ぐらいからは
「かさじぞう」「ごんぎつね」など
少し内容の濃いものをすることができるようになります。
いくつか選択肢を絞り、子ども達に投げかけ、
最後は子ども達自身が
どの物語にするか決めるところから行うと
より濃いものができますよ。
子ども達は
自分で決めたことは最後までやり通そうという
力があります。
以上児さんクラスでは、
ただ先生が選んだものをするより自分たちで考えて
話し合って決めたものをする、という
一連のつながりが子ども達の心に深く残り、
さらに成長させてくれるものです。
もちろん、
話し合いがスムーズに進むように選択肢を絞り、
仲介するのは先生の役割なので丸投げではなく、
あくまでも一緒に決めてくださいね。
それでは、
台本を作るうえでの注意点を挙げていきます。
0、1歳児はセリフは少なく単純なものを
劇CDを使って
セリフやナレーションを流してもいいですが、
なかなか
そのスピードについて動くことが難しい月齢なので、
手が足りるのであれば
本番時に先生がマイクでナレーションを入れたり、
手が足りないのであれば
事前にカセットテープに先生自身が
ナレーションをゆっくり吹き込んだものを
使用するといいですよ。
まだまだ小さいので
本番にトラブルはつきものの月齢なので、
できれば本番は子ども達のフォローに
最大限手を尽くせるようにして、
ナレーションなどは流すようにしましょう。
おおきなかぶで例えると、
「うんとこしょどっこいしょ」など
簡単な繰り返しのあるセリフは
子ども達も大好きなので
一緒に言うように練習するといいですよ。
2歳児は少し長めのものが言えるがまだまだ簡単なものを
2歳児になると
語彙数が圧倒的に増えるので
少し長めのものも言えますが、
まだまだ未満児なので簡単なものにしましょう。
また、セリフの掛け合いも
単純でわかりやすいものにします。
また、役決めの際に
高月齢児と低月齢児を組み合わせることで
セリフが言えないということの心配は
少なくなります。
2歳児でも
本番では子ども達のフォローに手を尽くしたいので
ナレーションなどは
CDか先生の吹き込みにするといいでしょう。
3歳児以上は長いセリフも取り入れていきましょう。
幼児クラスになると
語彙力も理解力もしっかりしてきます。
物語の劇でしたら題材の絵本や
話そのままの構成やセリフで大丈夫でしょう。
あまりにもわかりづらいセリフ、
練習をしてみて
子ども達が言いにくそうなセリフが見つかったら
わかりやすい言葉に変えるといいですよ。
気を付けなければいけないのは
生活劇をするときです。
これは最初から台本を書かなければいけないので
少し大変ですね。
書きたいことが多すぎて
内容が盛りだくさんになってしまうと
話として伝わりづらくなってしまいます。
テーマを一つ決めたら、
そこを目標として見失わないように書きましょう。
全学年で共通するのは、
劇のCDをうまく取り入れたりピアノなどで
効果音をつけたりするのも
劇を盛り上げる大事なポイントです。
台本も決まり、役も決まると次は衣装ですよね。
衣装は以前やったことのある劇をする場合は
園内に保管してあるはずなので
リメイクしたりして使っていいと思います。
ただし、
必ず使う子に衣装合わせをして
サイズはぴったりにしましょう。
もし、衣装がないのであれば
物語の場合は世界観もあるので
作ったほうがいいでしょう。
題材の話の絵本などを見ながら作るといいですよ。
とても大変ですが、
例えばピーターパンであれば上の緑の衣装は作り
下は各自で黒のズボンを持ってきてもらう、
ということもしてもいいですね。
1歳児クラス
1歳児は衣装を着せるのも嫌がったり一苦労ですよね。
内容によってはお面でかまわないかと思います。
衣装を着たくなくて無理やり着せて泣かれるよりも、
お面を頭に着けて笑顔でステージに立つことのほうが大切です。
生活劇では
普段の制服や体操服を使用することのほうが多いので、
各自で持ってきてもらうといいでしょう。
かならず紛失には気を付けてください。
3歳児以上のクラス
3歳児以上のクラスで行われる物語の劇では
世界観も大切にしたいので
衣装はできるだけ作って用意するのがいいでしょう。
未満児さんでは
衣装に気を取られて
ぐずるようなことになってしまうよりも、
子ども達が泣かずに
ステージに上がることのほうが大切なので、
場合によってはお面などで対応しましょう。
発表会の劇は台本、役決め、衣装、練習と
やることが山積みでとても大変です。
しかし、
本番でステージに上がる子ども達の姿を見た時に
そのすべてが報われるほどやりがいのある行事です。
劇をする子ども達を舞台袖で見守りながら
思わず涙することもあるほどです。
子ども達の月齢や発達に応じて
なにをするのがいいのか考えながら、時には
子ども達にも尋ねながら頑張ってください。
練習で行き詰ったことがあったら、
子ども達に言ってみるのも手ですよ。
「今、○○の部分がうまくいってなくて
困ってるけどどうしたらいいと思う?」
と子ども達に尋ねると、案外真剣に考えてくれて
「こうしたらいいんじゃない?」
と自分たちで解決したり
そこに意識を持って行ってくれます。
子ども達を信じながら進めていきましょう。
少しでも参考になりましたら幸いです。