病気や怪我が原因で体が不自由になってしまうと、人の手を借りる機会が多くなります。
それまでは一人で入れていたお風呂も、体の状態によっては一人で入ることができなくなることもあるでしょう。
お風呂に入る際にお風呂用の車椅子や手すりなどを活用することで、本人や介助者の負担を軽減させることが可能です。
しかし、お風呂用の車椅子を使用する場合は、介助だけではなく浴室のリフォームが必要になる場合もあります。
今回は、お風呂用車椅子を使用する場合の浴室の寸法や、本人や介助者の負担を軽減する浴室リフォームについてご紹介します。
車椅子でのお風呂に寸法の必要な目安は?浴室リフォームについて
車椅子でお風呂に入るためには、扉や洗い場など車椅子の横幅程度の広さがあれば良いと思っていませんか?
車椅子を出し入れのみならば、その幅で十分でしょう。
しかし、体を洗い、浴槽に浸かるためには車椅子の横幅以上の広さが必要になります。
洗い場の奥行きは160cm以上あるのが望ましいと言われています。
160cm以上あることにより、車椅子の入れやすさだけでなく、介助者が頭の後ろや背中などが洗いやすくなります。
さらに、洗い場の横幅は120cm以上あるのがおすすめです。
120cm以上あることにより、介助者が横に回って体を洗うことが可能になります。
しかし、この数字はあくまでも一般的なサイズのお風呂用車いすを想定したものです。
体の大きな人の場合は、車椅子自体のサイズも大きくなる可能性があります。
また、介助者の体の大きさによっても変わってきます。
お風呂に入る本人や主な介助者の体格も考慮し、リフォームを検討することをおすすめします。
車椅子でのお風呂のために段差を攻略する便利なアイテム
お風呂用車椅子で浴室に入る場合、最初の難関は段差です。
段差が大きいほど、乗り越える際に本人や介助者が受ける負担も大きくなります。
脱衣所と浴室の段差には2種類あります。
扉の部分が段差になっている場合は、段差部分が坂になるようにスロープを設置すると、移動がスムーズになります。
スロープは動いてしまうと危険なため、床に接する箇所に滑り止めをつけるか、完全に固定する必要があります。
完全に固定をしたほうが安心ですが、場所をとるのに困るという人は必要な時に設置できるタイプでも良いですね。
もうひとつは、浴室が低くなっているケースです。
この場合は浴室の床にすのこを敷くのが、一番簡単な方法です。
しかし、普通のすのこにはすき間があるので、介助者が介助中や車椅子から浴室に移る際、足を引っ掛けてしまう危険もあります。
介護用品店などにある、浴室用すのこの使用がおすすめです。
また、浴室の床にすのこを敷く場合は、部分的にではなく一面に敷くようにしましょう。
一部のみに敷いてしまうと、躓いて転倒するリスクが高くなります。
車椅子でのお風呂対策!手すりなどのパーツをDIYする方法
車椅子でお風呂に入るための対策として、手すりを付ければ良いのではと思われる人もいるでしょう。
確かに、手すりを付けることで体を支え、立ち上がる際の補助になります。
しかし手すりにも幅があるため、浴室内の壁すべてに設置してしまうと、浴室内が狭くなってしまいます。
移動のしづらさから、せっかく設置した手すりが邪魔になってしまう可能性もあるので、付ける位置には十分注意しましょう。
市販で手に入る手すりには、真っ直ぐのものやL字タイプのものなど様々です。
手すりはしっかりと設置をしなければ意味がないので、壁に穴を開けて設置する必要があります。
賃貸では行うことができない場合もあるので、気を付けましょう。
また、壁がタイルのものの場合はヒビが入っていないかを確認しましょう。
手すりを設置することによりヒビが広がり、タイルが割れてしまう危険もあります。
設置する場所の状態や素材にも気を付けましょう。
また、手すりは商品によって重量が決まっています。
規定重量が軽いと、手すりを使用した際に手すりが取れてしまう可能性もあるため、購入の際には必ず確認しましょう。
まとめ
自宅で介護をする場合、廊下やお風呂場など様々な場所をリフォームする必要も出てきます。
特にお風呂は毎日入るものなので、介助しやすさや入りやすさはとても重要です。
介助のしにくさや入りにくさを感じてしまうと、お風呂に入るのが億劫になってしまうことも考えられます。
体を清潔に保ち、リラックスしてもらうためにも、お風呂の入りやすさや介助のしやすさについて考慮し、リフォームを行いましょう。
自分でDIYできる範囲であれば良いですが、場合によっては専門職に任せたほうが使いやすくなることもあります。
また、今は車椅子を使用することなく入浴ができていても、将来的に車椅子が必要になる可能性もあります。
リフォームにはお金もかかりますが、先のことを考えて検討するようにしましょう。
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