家の中の掃除をするとき、今や定番ともなりつつあるエコ洗剤の重曹。
重曹は、「重炭酸曹達」(じゅうたんさんソーダ)の略称で、成分は
炭酸水素ナトリウムで、弱アルカリ性の粉末です。
100円ショップやホームセンターなど、どこでも手に入って、掃除用は
とっても安価ですね。
その重曹を、床の拭き掃除に使いたいとき、どんなふうに使えば、効果
的でしょうか?
また、こんなにエコで安価なのに、汚れはちゃんと落とせるのか、床は
傷まないのか、気になりますよね。
そんな疑問にお答えできるよう、重曹の性質や効果、床掃除に使用時の
注意点について、ご紹介していきます。
床の拭き掃除にも重曹は使える?性質や効果と使用時の注意点
掃除に利用するにあたり、まず、重曹がどんな汚れを落とす力があるの
かについて、知っておきたいですね。
重曹は、弱アルカリ性の物質ですから、反対の性質を持つ「酸性の汚れ」
を分解して落としてくれます。
学校の理科の授業で習った、酸とアルカリの中和反応ですね。
「酸性の汚れ」とは、油汚れや皮脂汚れなどで、油とたんぱく質を溶か
してくれる性質がある、と覚えておきましょう。
また、市販品には、3種類あって、薬用→食用→工業用の順に、純度も
落ちるため、低価格に、そして大容量になっていきます。
掃除に使うのは、工業用の安い物が、100円ショップにも掃除用として
販売されていますので、これで充分なのですが、もし小さなお子さんや
ペットがいれば、万が一口に入ってしまった時のために、少々値は張り
ますが「食用」を使うと、安心ですね。
また、弱アルカリ性とはいえ、手に付かない方がいいし、工業用は食用
より手が荒れやすいので、お掃除の時は、ゴム手袋を着用しましょう。
では、この家中のお掃除に便利だといわれる重曹ですが、はたして床の
拭き掃除にも使えるのでしょうか?
答えは、はい!です。
床のベタベタした汗や皮脂による汚れや、キッチンの床などの料理や
食べこぼしによる油汚れは、どれも「酸性の汚れ」ですから、重曹が
ぴったりなんです!
あれ?でもちょっと待って、と思われた方もいらっしゃるでしょう。
重曹は便利だといっても、どんな床でも大丈夫なのかというと、そう
ではありません。
素材によっては、重曹を使えないこともあるのです。
また、使い方を変えると大丈夫な場合もあります。
そこで、そんな重曹を使った床の拭き掃除で、気をつけたいことや、
効果的な使い方など、ご紹介していきます。
拭き掃除に重曹を効果的に使う方法と仕上げがきれいになるポイント!
重曹は水と混ぜて重曹水を作って、スプレー容器に入れてもいいし、
バケツで雑巾を浸して使ってもいいです。
水が腐敗するので、一度作った重曹水は、何日も置いておけませんから、
たくさん作りすぎないようにし、その都度必要な分を作る方がいいですね。
また、重曹の3~4倍の少量の水またはお湯と混ぜ、重曹ペーストを作っ
て塗りつけ、カビやしつこい汚れ落としに使う場合もありますが、床の
掃除には、濃すぎて、この使い方はしません。
床掃除に使うときの重曹水は、他の箇所の掃除の時よりも、もっと薄く
作ります。
たとえば、水250~300mlに重曹小さじ1以下。
重曹は水に溶けにくいので、よく振って混ぜて使いましょう。
溶かす水をお湯にして、重曹沸騰水にすると、より清掃効果が期待でき
ます。
そして、この重曹水を、キレイな雑巾に含ませて、床を拭いていきます
と、ベタベタ汚れが、すっきり落とせます。
ところが、そのままですと、乾いたところが白くなっていたり、ざらつ
きが残ったりします。
重曹は水に溶けにくいため、雑巾で拭いていった後に、乾いて残りの粒
子が現れてくるのです。
そこで、重曹水で床を拭いたら、その後はかならず、水拭きをしておく
ことが大切です!
ここで、キレイに仕上げるポイントとして、クエン酸を水で溶いた「ク
エン酸水」を作っておき、「クエン酸水で拭く→水拭き」が、おすすめ
ですよ!
なぜかというと、重曹水は弱アルカリ性ですが、このクエン酸水は酸性
ですから、重曹のアルカリを中和してくれるので、よりきれいに、白く
浮き出た余分な重曹を、除去するのを助けてくれます。
そしてさらに、このクエン酸水自体の効果として、脱臭や、アルカリ性
の汚れを取る働きも期待できるのです。
これで、サラサラな気持ちの良い床にすることができますね。
拭き掃除の重曹使用は濃度と頻度に注意!床にダメージを与える理由
こんなに便利な洗剤に変わる重曹ですが、床の拭き掃除をする時には、
使い方に注意しないといけないこともあります。
ワックスを塗ってあるフローリングの場合に、重曹のアルカリ性の性質
や、粒子による研磨効果によって、ワックスの層の表面がはがれたり、
傷がついてしまうというダメージが与えられることがあります。
ワックス剤にも、油成分が含まれているからです。
これを防ぐためには、重曹の濃度と使う頻度に注意が必要です。
重曹水を作る時、床掃除用には、2%程でいいので、小さじ1杯の重曹を、
水またはお湯250~300mlに溶かしましょう。
汚れがひどくなければ、もっと薄くてもいいかもしれませんね。
そして、この重曹水を使うのは、毎回ではなく、普段の掃除は水拭きま
でにして、鉄板料理などの油もので汚れた時や、何回かに一度や、月に
1回にするなど決めておき、ここぞという時にすれば、使いすぎること
もなく、ワックスを剥がす心配を軽減できます。
念のため、目立たない場所で、小さく試し拭きしてからにするのもいい
ですね。
また、フローリングをワックス剥がれや傷から守るためには、重層水は、
充分に薄めて、「汚れを感じるところだけに、部分的に使う」ようにする
といいでしょう。
そして、重曹は使えないところもありますので、ご注意を!
畳などの天然素材のものには使えない、と覚えておきましょう。
無垢材などの、天然木の床にも使えません。
お掃除は床を守るためでもありますから、素材はしっかりと確認して
おきましょう。
まとめ
家の中の様々なお掃除に使える、重曹。
時には、クエン酸と組み合わせて使います。
そして、この重曹を床の拭き掃除に使うとき、床にダメージを与える
ことなく、効果的に使うにはどうするのが良いのか、重曹の性質と合
わせて、ご紹介いたしました。
床の皮脂汚れを放っておくと、黒ずみの原因になります。
汚れに気付いたら、できるだけ早めに落とすよう、心がけましょう。
それが、床を大切に長持ちさせるポイントですね。
そして、いつも気持ちよく転がっていられる床を、めざしましょう。