高齢者が食事を拒否するのはなぜ?必要なカロリーと点滴で賄える?

在宅で介護をしている父や母が急にご飯を食べてくれなくなった!との声をよく聞きます。

在宅介護などで、介護に携わる人々が経験する高齢者の食事拒否という問題は、

介護者への負担がかなり大きいく、大変悩ましい問題なのです。

そこで今回は

老人が食事を拒否する様々な理由とは?

同時の食事でカロリーはどれぐらい必要?

老人の食事する代わりに点滴はどう?

の3つのテーマに絞って紹介していきたいと思います。

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高齢者が食事を拒否する様々な理由とは?

まず、高齢者が食事を拒否する原因には、身体的理由と精神的理由に分けられます

もし食事拒否が始まったら、身体面と精神面、どちらが原因であるかを観察

考えるようにします。

身体的な理由として、歯が痛そうだったり、体のどこかが辛そうな仕草

があったりと、普段の様子に比べ体調がすぐれないように見えるのなら

身体的な原因を考えてみます。

体調不良などは治療するのはもちろん大事ですが、体調不良になってし

まう原因を突き止め、解決していくことが大事です。

精神的な理由として、高齢者は精神的な負担により体調を崩す事はよく

あることを念頭に置いてください。

うつ病や、薬の副作用などがありますね。

精神的な負担になっている原因をきちんと理解して、解決していくこと

が大事です。

高齢者でなくても、何か悩み事があると食事に手をつけられない事があ

るように、誰にでも起こりうることです。

それが食事拒否につながっていきます。

家族を介護する場合、こういった食事拒否などがあるとイライラしてし

まうことが多いですが、介護を行う側は常に広い視野を持ち、食事拒否

につながる原因を解決していくことが大切ですよ。

認知症が原因の場合

身体的な理由と、精神的な理由の2つを述べましたが、認知症状が原因

で食事拒否が起こる場合もあります

高齢者が食べ物で遊んでいたり手で触っていたら、出されたものを食べ

ものと認識できていない可能性があります。

これは失認と呼ばれる症状で、高齢者に頻繁に見られます。

介護施設などでよく見る光景ですね。

そのような場合は、目の前にあるものがおいしい食べ物だということを

伝える必要があります。

もう一つ、失行という症状があり、食べ物だと理解しているか、どう食

べるかがわからなくなっている状態です。

本人も大きなストレスを抱えるので、そのような場合は目の前で自分が

食べる姿を見せて同じ動作を真似してもらうのが有効的な対処法です。

そして認知症の特徴として、突然食事をしなくなったり食事量が激減す

るなどの現象が見られます。

そうなってしまうと嚥下機能が著しく低下してきて、固形物やたくさん

の咀嚼が必要なメニューを避ける必要が出てきます。

 

高齢者の食事でカロリーはどれくらい必要?

年齢や性別、身体活動レベルなどいろいろ考慮する項目はありますが、

ざっくりいうと高齢者に必要な1日の摂取カロリーは1300k〜1500kcal

言われています。

少し具体的に計算方法などをご紹介したいと思います。

「必要カロリー」=

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 自分の年齢の基礎代謝基準値×現在の体重×身体活動レベル

で1日に必要な摂取カロリーが導き出されます。

基礎代謝基準値は厚生労働省の健康情報サイトe-ヘルスネットに具体的

な情報が記載されています。

身体活動レベル

 身体活動レベルとは、1日あたりの総エネルギー消費量を1日あたりの

基礎代謝量で割った指標です。

レベルⅠ:

生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

レベルⅡ:

座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接な

ど、あるいは通勤、買い物、家事、軽いスポーツ等のいずれ

かを含む場合

レベルⅢ:

移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど

余暇における活発な運動習慣を持っている場合

となっています。

参照体重における基礎代謝量という表によると、

基礎代謝基準値 70歳以上 男性 21.5

参照体重60㎏

基礎代謝良1290㎉

基礎代謝基準値70歳以上 女性 20.7

参照体重49.5㎏

基礎代謝良1020㎉

というデータが出ています。

年齢階級別にみた身体活動レベルの群分け(男女共通)

70歳以上レベルⅠ(低い)1.45

レベルⅡ(ふつう)1.70

レベルⅢ(高い)1.95

という数字も出ています。

また、寝たきりの場合などはレベル1 (低い)の数字が1.0~1.1のどちらかで

計算してくださいね。

高齢者の食事する代わりに点滴はどう?

例えば、体調を崩し食事が取れない場合、一時的に点滴で栄養を補給す

るというやり方はありますが、通常の食事を食べないからといって、点

滴で栄養補給を続けていくということは考えづらいですね。

点滴に頼るという状況は、終末期で点滴のみにしていく場合などです。

やはりここでも食べられなくなった根本的な原因を解決しないといけま

せん。また、嚥下機能の低下で飲み込みが辛かったり、咀嚼が弱い場合

は高カロリー食を食べてもらうといいですよ。

ゼリー状やプリン状のもの、缶ジュースみたいに液体状のものなどが有ります。

味は食べやすいようにとても甘くなっていますよ。

そういった補助食で必要なカロリーを摂取してもらいつつ、食べなくな

った根本的な原因を解決していく方法を探します。

まとめ

ではここで簡単にまとめます。

老人が食事を食拒否する様々な理由とは?

・身体的理由と精神的理由の2つがある

・身体的理由とは体調の変化よるもの

・精神的な理由は、うつ病や薬の副作用等による意欲の低下や些細な悩みが原因と考えられる

・失認と失行があり、食べ物を認知出来ていない、出来ていても食べ方がわからないなどの

認知症状がある

老人の食事でカロリーはどれくらい必要?

・最低でも1300kcalは必要

・必要カロリー=自分の年齢の基礎代謝基準値×現在の体重×身体活動レベルで求められる

老人の食事する代わりに点滴はどう?

・病気などによって点滴をする事はあるが、点滴を食事にする事はない

・点滴のみは終末期の状態に多い

・高カロリー食を摂取してもらいながら、食べなくなった根本的な原因を解決すること

いかがでしたでしょうか。

食事を取らなくなる理由が分かれば解決できることがほとんどです。

味の好みや硬さなどが原因の場合もあるので、そういったこともご本人

と話し合って食べやすい方向に持っていってあげると食事量が増えると

思いますよ。

がんばってくださいね☆

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